かつて親子間には「子供の反抗期」という“通過儀礼”が存在したが、いまではインスタグラムの「#息子とデート」という投稿は11万件を超え、好意的なコメントがあふれている。世代・トレンド評論家の牛窪恵さんは言う。
「年々一人っ子世帯の割合が増え、近年の母親は『娘がいたら一緒にしたかったこと』を、成長した息子に求める傾向にあります」
旅行をしたり、洋服を選び合ったり……。娘ならそれもしやすいだろうし、微笑ましい親子関係を連想させる。『女性セブン』が実施したアンケート(※)によれば、息子と一緒に出かけたいという気持ちが、多くの母親にはあるものの、それを“デート”とくくるのには抵抗があるようだ。
【※息子がいる30~80代女性500人(全国)にアンケートを実施(2021年8月23~24日)。パイルアップ調べ】
デートという言葉の中に、“一緒に出かける”以上の、性的な意味を感じ取っているのが見てとれた。東京都在住の68才・主婦Sさんは30代の息子(独身)についてこう語る。
「息子と恋人のようにデートなんて気持ち悪くてあり得ません。うちではむしろ親友という感じ。趣味も感性も合うので、夫を留守番させて2人で旅行によく行きます」
母と息子の仲がよい家庭が多いのは、アンケートからもわかる。しかしその“仲のよさ”とはどういう類いのものか。具体的なエピソードを紹介しよう。
息子にキュン“恋する母たち”エピソード
「背が私より高くなって、筋肉がついて声変わりして……男の子から男性へと成長する過程を見ると、その都度ドキッとしました」(62才・主婦/息子32才)
「私の結婚指輪を見た息子が『誰にもらったの?』と聞くので、『お父さんにもらったんだよ。あなたも大きくなったら大好きな人に指輪をあげてね』と言ったら、『じゃあ、ママにあげたい』と言ってくれて、ときめきがとまらない!』(40才・主婦/息子3才)
「高校に合格したとき、息子から『母さんありがとう!』とハグしてきて……。びっくりしたけど、うれしかった! 意外とがっちりしていて男らしい体つきなのにも驚きました」(57才・主婦/息子27才)
「夫と息子と出かけると、歩幅が違うので、私がいつも遅れがちに。そんなとき必ず、息子だけが振り返り、私を気にかけてくれます」(82才・主婦/息子49才)
「体育祭のリレーのとき、走るのが苦手な子に『一生懸命走ればいい。後は任せろ』と言っていて、その男気にホレた!」(49才・会社員/息子21才)