芸能

『マスカレード・ナイト』も ホテルが舞台の作品は人間ドラマの”カモネギ状態”

昆虫食を実践しているという長澤まさみ

『マスカレード・ナイト』に出演している長澤まさみ

 9月17日から公開される映画『マスカレード・ナイト』。木村拓哉主演で大ヒットした映画の第二弾で、ホテルを舞台にさまざまなドラマが展開される。ホテルが舞台となることの強みについて、過去の作品を振り返りながらコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 容疑者は仮面を被った500人! 累計450万部突破の東野圭吾の小説シリーズを実写化した『マスカレード・ホテル』(2019年)の続編『マスカレード・ナイト』。

 舞台は前作と同じ超一流ホテル「コルテシア東京」。大みそかに行われるカウントダウンパーティー“マスカレード・ナイト”に殺人犯が現れると警察に匿名の密告状が届く。犯行予告のタイムリミットは24時間。捜査本部に呼び出された、木村拓哉演じる破天荒な刑事・新田浩介は、再びホテルマンに扮し、生真面目なコンシェルジュの山岸尚美(長澤まさみ)と組んで潜入捜査にあたる。

 密告者、未解決事件、仮装パーティー、迫りくる犯行時間、新田が魅せるアルゼンチンタンゴなどなど、今回も複雑にしてゴージャスなミステリーになっている。この作品の一番のポイントは、現場が「ホテル」であることだ。

 これまでにもホテルは、さまざまな映画・ドラマの舞台になってきた。

 ミステリー系の名作のひとつが、1969年に発表された森村誠一の第15回江戸川乱歩賞受賞作品『高層の死角』。高層ホテルの最上階の居室で暮らすホテルのオーナー社長が密室状態で刺殺されたことから始まる難事件。何度かドラマ化され、そのたびに少し設定は違うが、密室のトリックや容疑者のアリバイ崩しなどは、みどころとなってきた。

 長くホテル勤務をしてきた作者の原作を読むと、発見者となるルームメイド主任(キャプテン)が、コーヒーポットの保温具合を確かめたり、客室のドアをどの程度の強さでノックすればよいかなど、きめ細かいサービスを心得ていることがよくわかる。こうしたプロの心得や洗練された応対は、ホテル作品の魅力のひとつだ。

『マスカレード・ナイト』の新田も、前作では「『いらっしゃいませ』では15度、『ごゆっくりお過ごしください』では30度、『申し訳ございません』では90度」といわれるお辞儀や、制服の上着の前での手の組み方などの所作を身につけていった。きっちりした制服ドラマでもある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン