東京2020パラリンピック開会式で驚きのダンスパフォーマンスを披露したはるな愛(49才)。放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、その舞台裏や差別のない社会を目指した活動などについて聞いた。
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「自分が輝いたら、周りのみんなも輝きを照らせる」の言葉に涙
山田:まずは「東京2020パラリンピック」の開会式でのパフォーマンス。特に愛チャンと仕事をしてきた人たちは、画面に釘付けになったと思います。本当に素晴らしかった!
はるな:ありがとうございます! 出演することは、家族にさえも内緒にしなければいけなかったので、皆さんを驚かせてしまって……。
山田:私、翌朝が、愛チャンもコメンテーターをしている『ドデスカ!』(メ~テレ)の出演日だったのね。まずは、竹田基起アナウンサー(37才)が「ビックリしました」「勝手に誇らしい気持ちになりました」と大コーフン。水曜コメンテーターの(スピードワゴン)井戸田潤サン(48才)は、「愛チャンは多様性時代の象徴的存在だから」と。その後、竹田アナが愛チャンからのコメントを読み上げてくれて……。
はるな:「みんな違ってみんないい。さまざまな人たちで作り上げた開会式。私も成長や学びがあり感謝の時間でした。これからもこの経験を生かし、誰も排除されない世界になってほしいです。パラリンピックを一緒に応援しましょう!」……ですね?
山田:その言葉を聞かせていただいて、あぁ、愛チャンはまた新しいステージに自らの力で上がっていったんだなって本当にすごいと思ったの。
“きっかけ”はオーディションだと聞きましたが、そうなんですか?
はるな:はい、2年半前とか3年前でしたね。実は私、スポンサー企業が募集していた聖火ランナーのオーディションにいろいろ応募したんですけど落ちちゃって(苦笑)。その後、開会式のオーディションの存在を知ったんです。ウチは8年前から弟が車椅子生活になってしまったこともあり、障がいをもっている人が日常でどれだけ厳しいかっていうことを日々目の当たりにしてたんですよ。弟には子供がいるんですけど、たとえば夏休み、海で一緒に遊びたいと思っても、日本って車椅子でビーチから波打ち際に行くのがものすごく大変なんです。障がい者用のトイレも1つしかなくて、それも近くになかったりして。そうした現実を何とか発信したいと思っていたところに、オーディションのことを知って。
山田:そこで北島三郎サン(84才)の曲を歌ったって聞きましたけど(笑い)?
はるな:そう、『北の漁場』。だって、昔から「日本の心は演歌です」と思っていたし、東日本大震災の後、すぐに被災地に飛んで行かせていただいたときも、仮設の集会場で歌って、皆さんがいちばん喜んでくださったのは演歌だったので。もっとも、そこにあったカラオケが古くて昔の曲しかなかったんですけど(笑い)。で、一次オーディションの後は、開催の延期もあったので、なかなか結果を知らせていただけなくて、去年の夏ぐらいに、やっと「まだやる意思はありますか?」と。もちろん「やらせてください」って言いました。