何人ものスタッフたちの見送りを受けながら、都内のホテルから出てきたのは、白の半そでのトップスに黒のロングスカート、サンダル姿の女優の長澤まさみ(34才)。顔の小ささと、長いスカートながら腰高な着こなしで、ヒールではなくても、実際の足の長さが伝わってくる1枚だ。
8月下旬。木村拓哉(48才)との共演映画「マスカレード・ナイト」のPR活動もあり、少しお疲れ気味な表情だったが、スタスタと足早に歩き去っていった。
今年も2月からヒール役として出演し、その演技力が高く評価された映画「すばらしき世界」が公開されるなど、相変わらず多忙だが、中でも8月5日に発売された、デビュー20周年を記念した9年ぶりの写真集「ビューティフルマインド」が話題を呼んでいる。3人のカメラマンによって、さまざまな表情を撮られた“表現者・長澤まさみ”の集大成的な内容だ。
ある芸能関係者は「お笑い芸人との対談記事や、映画監督の西川美和さんによる企画なども掲載された全288ページにも及ぶ大作で、渋谷パルコでは発売記念写真展まで開催されるほど派手なプロモーションが展開されました」と話した。
ところが、いざ蓋を開けると、ファンの反応は賛否両論の差が大きく、ネット販売ページのレビューには低評価のコメントが多く書き込まれる事態に。オリコンが発表した初週売上部数は、前日の8月4日に発売されたフリーアナウンサー鷲見玲奈(31才)の初写真集「すみにおけない」の1万2477部に大差をつけられた4931部で、週間写真集ランキング3位となっていた。
低評価のレビューには「作り手側の自己満足を押し付けてくる作品」、「普通の写真集を求めていた私には期待外れ」、「写真集ではなくアート」と失望のコメントが並んでしまっている。
長澤といえば、この15年間は、綾瀬はるか(36才)とともにスタイル抜群な女優の二大巨頭として、もてはやされてきた。6年前の日刊スポーツ映画大賞の授賞式では、シースルーでボディラインがくっきりのセクシードレスで登場して、翌朝の各紙で大きく報じられたほど。前出の芸能関係者は「本人も周囲の視線を熟知して、過去にそれを生かす場面もあったので、写真集も水着やランジェリー姿を期待していたファンが多かったわけです。露出あるカットが無かったことで、がっかりされてしまった」と説明した。
ある映画配給会社関係者は「長澤さん本人としては、そのような性的な見られ方をしたいとは思ってないのでしょう。アラサーの写真集といえば、2年前に田中みな実さん(34才)のセミヌードが有名ですが、同じステージを目指しているわけでは無いのです。むしろ、写真集=セクシーと捉えられることに対するアンチテーゼの意味もあったのかもしれません」と代弁する。