阿佐ヶ谷姉妹が見せる独特の世界観とは(時事通信フォト)
お笑いコンビ・阿佐ヶ谷姉妹の著書『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』(幻冬舎)が、11月から NHKで連続ドラマ化される(月曜夜10時45分~)。阿佐ヶ谷姉妹の2人は、実の姉妹ではないものの、ひとつ屋根の下で生活をともにする“疑似姉妹”だ。今回のドラマでは姉・渡辺江里子役を木村多江、妹・木村美穂を安藤玉恵が演じ、ホームタウンである東京都杉並区阿佐ヶ谷を舞台に街の人々との交流やふたり暮らしの日々をホームドラマに仕立てるという。
ご近所とのおすそ分け合戦や、どちらが六畳一間の部屋をより広く占有しているのか、といった「超地味」な話を淡々とユーモラスに綴る原作本が2018年の発売以来版を重ね、文庫版は約8万部のヒット作に。「こんな地味な話、誰が興味を持ってくれるのかしら」(渡辺江里子)という著者自身の予想を裏切り、ドラマ化が決定した。
阿佐ヶ谷姉妹は自虐を混ぜた「おばさんあるある」ネタや、持ち前の歌唱力を披露する「誰も傷つけない笑い」で知られるが、その独特なライフスタイルも注目を集めてきた。独身女性2人が“疑似姉妹”として六畳一間をシェアし四六時中行動をともにする(現在はお隣同士で別居)という、一風変わった生活を送っている。そんな阿佐ヶ谷姉妹の生き方は彼女らと近い年代である30~40代の女性たちを中心に支持を得ているという。
「阿佐ヶ谷姉妹のライブに行くと、最後には号泣してしまいます」と語るのは、長年のファンで街歩きエッセイストのチヒロさん。チヒロさんによると、ライブ中に感情移入し、涙を拭う女性ファンが少なくないという。
「以前に参加した単独ライブは3幕構成で、まずは“別れ際に手を握ったままなかなか離れられないおばさん”“外で物音がすると飛んで出てくるおばさん”といった鉄板のおばさんあるあるを中心にしたネタを披露。第2幕ではオリジナルの短編恋愛映画を上映し、第3幕は生バンドでの歌謡ショーになります。ネタで笑って映画で感動し、最後に歌の迫力で気付けばボロボロ涙が溢れている人がたくさんいました」(チヒロさん)
単独ライブは3時間にも及ぶが、劇団で学んだ経験や下積み時代に身につけた実力で笑いと感動が相互に起こり、少しも飽きさせることがないそうだ。だが、阿佐ヶ谷姉妹は“歌が上手く面白い女性コンビ”というだけではなく、「彼女たちの生き様が垣間見えるところが魅力の1つ」だと、チヒロさんが続ける。
「2人を見ていると、“いくつになっても自分を肯定して生きていけばいいことがあるのかも”と、思わされます。阿佐ヶ谷姉妹にハマったきっかけのひとつは、数組の芸人が出演したお笑いライブで妹の美穂さんが、牛乳パックで巨大ゼリーを作ってひたすらプルプルしているところを披露するという場面を見て、それが衝撃だったことです。