国内

コロナの「終息」 ワクチンだけでは集団免疫の獲得に限界がある「3つの理由」

国民の半数以上が2回接種を終えたが…(時事通信フォト)

国民の半数以上が2回接種を終えたが…(時事通信フォト)

 新型コロナのワクチン接種が進み、9月下旬時点で2回の接種が完了した人は国民の半数を超えた。第5波の新規感染者はピークアウトし、東京では4回目の緊急事態宣言が9月末に解除となる。ところが、ここにきて集団免疫の達成は難しいとの声が専門家から上がっている。どういうことなのか。ニッセイ基礎研究所主席研究員の篠原拓也氏が解説する。

 * * *
 新型コロナは、ワクチン接種が進んでいる欧米諸国と、進んでいない東南アジアやアフリカ諸国の間で感染拡大リスクの差が広がっている。

 ワクチン接種を進めて、早期に集団免疫を確立し、感染を終息させる――各国とも、そんな戦略のもとで接種を進めてきたようだ。日本でもワクチンをコロナ対策の「切り札」と位置づけ、国、地方自治体を挙げて接種に取り組んできた。政府は10月末までに希望者全員のワクチン接種を完了したいとして、接種のスピードを上げている。

 ところが、イスラエルやイギリスなどのワクチン接種“先進国”では、感染した人の重症化は抑えられているものの、新規感染者の再拡大がみられる(別掲図参照)。

イスラエルやイギリスではワクチン接種率が70%に迫っても、再び感染者数が増加している(出典/アワー・ワールド・イン・データ)

イスラエルやイギリスではワクチン接種率が70%に迫っても、再び感染者数が増加している(出典/アワー・ワールド・イン・データ)

アメリカ・日本の新規感染者数と接種完了割合(出典/アワー・ワールド・イン・データ)

アメリカ・日本の新規感染者数と接種完了割合(出典/アワー・ワールド・イン・データ)

 9月3日に、政府の新型コロナウイルス対策分科会がまとめた提言には、

「我が国において全ての希望者がワクチン接種を終えたとしても、社会全体が守られるという意味での集団免疫の獲得は困難」

 といった文言が盛り込まれた。ワクチン接種による集団免疫の達成について、どう考えたらよいか、少し考えてみることとしたい。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン