さらに忘れがたい言葉は「人間のできる最高の美徳は我慢」。馬は人の4倍のスピードで成長するからフィジカル面ではかなわない。馬の上を行くにはメンタルの充実しかない。日々のさまざまな事柄に決してイラつかず、大目に見る。寛容も我慢に含まれるだろう。
ということで、運気を上げる方策に「我慢」を追加したい。これを政治屋に強いられるのは我慢ならぬが、自分が決めて実行するならば運も巡ってきそうじゃないか。要は気構え。今、この瞬間に変えることができる。
競馬を愉しめることに感謝。秋のGI戦線に勝ち名乗りを! きっと良いことあるさ。
【プロフィール】
須藤靖貴(すどう・やすたか)/1999年、小説新潮長編新人賞を受賞して作家デビュー。調教助手を主人公にした『リボンステークス』の他、アメリカンフットボール、相撲、マラソンなど主にスポーツ小説を中心に発表してきた。「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆。
※週刊ポスト2021年10月8日号