ビジネス

ホテル長期滞在が流行る訳 「365日500万円」や「月4万円食事付」の契約も

広大な客室で暮らすように滞在できる「MIMARU SUITES 京都四条」

広大な客室で暮らすように滞在できる「MIMARU SUITES 京都四条」

 コロナ禍で大きな話題となったホテルの長期滞在プラン。テレワークの定着や旅行の自粛といった特殊要因も相まって、どこのホテルも発売後即完売という盛況ぶりだが、そのブームは今なお続いているという。「ホテルに住む」需要はどこまで広がるのか──。ホテル評論家の瀧澤信秋氏が最新事情をレポートする。

 * * *
 コロナ禍のホテルニュースの中でも大きなトピックだったのが、「帝国ホテル東京」のサービスアパートメントだ。テレワーク、デイユースのようなフレックス的な短時間利用とは真逆で、ホテルの客室を“住まう”ように長期滞在で利用してもらおうという発想だ。

 サービスアパートメントについては、数年前からホテルライクなサービスを提供する施設として、外資系を中心に国内でも見られるようになっていた。最近では人気ビジネスホテルブランドのレジデンスタイプ施設もある。

ホテルが長期滞在プランを打ち出すメリット

 帝国ホテルのケースでは「30泊36万円~」という料金も注目された。1泊にすると1万2000円とリーズナブルだが、その金額や内容もさることながら、あの伝統と格式ある帝国ホテルがサービスアパートメントをスタートすること自体に注目が集まった。そして、帝国ホテルに続き高級ホテルも続々と“長期滞在プラン”を発売し、即完売するなど人気を博した。

 最近でも「365日で500万円」と究極ともいえるプランを打ち出すホテルのニュースが飛び込んできた。セルリアンタワー東急ホテル(東京都渋谷区)で10月1日から発売された長期宿泊プラン「ロングステイ365days」だ。アクティブシニア層に向けたホテル暮らしを提案しており、1年間にわたる長期宿泊プラン(2名まで)で一括払いならば500万円だという。

 とある長期滞在型ホテルの支配人によると、「一般的な宿泊の場合には、客室清掃のコスト等の変動費が室料の2~30パーセントかかる場合もあるが、長期滞在であれば数日に一度の清掃で済むのでかなりローコスト」と話す。

 客室にキッチンや電子レンジなどを備えるサービスアパートメントやマンスリープランは、潜在的な需用が見込めることに加え、ブランドイメージの向上や遊休スペース活用、省人化をはじめとしたコスト削減等もできるとあって、ホテル側にとっても長期滞在プランを打ち出すメリットは大きいというわけだ。

 長期滞在型ホテルを利用する層としては、これまでは例えば地方に本拠を置く会社が東京の滞在型ホテルを手配し、一定期間社員を住まわせるという利用のされ方が多かった。他方、コロナ禍においてはワーキングスペース・エリア、生活の本拠も含め従来の常識が通用しない中にあって、改めてホテル・長期滞在・暮らすという潜在的な需要が露わになった。

 ラグジュアリータイプであれば、前述のようなアクティブシニア層、若年であっても富裕層といった人々も想定しており、リーズナブルなタイプとしては、賃貸住宅の契約といったハードルもなく、そもそも定住場所を持たず自由にアドレスを変更できることに魅力を感じる人々に利用されるケースも見られると関係者はいう。

 いずれにしてもこれまでの一般的なホテル利用と比較して、かなり安価に利用できることが魅力であることは間違いないだろう。

関連記事

トピックス

TBS系連続ドラマ『キャスター』で共演していた2人(右・番組HPより)
《永野芽郁の二股疑惑報道》“嘘つかないで…”キム・ムジュンの意味深投稿に添付されていた一枚のワケあり写真「彼女の大好きなアニメキャラ」とファン指摘
NEWSポストセブン
田中圭の“悪癖”に6年前から警告を発していた北川景子(時事通信フォト)
《永野芽郁との不倫報道で大打撃》北川景子が発していた田中圭への“警告メッセージ”、田中は「ガチのダメ出しじゃん」
週刊ポスト
菅野智之がメジャーでなぜ打たれないのか(写真=Imagn/ロイター/アフロ)
35歳でメジャー挑戦の“オールドルーキー”菅野智之、メジャー平均球速以下でも“打たれない理由” 大打者を手玉に取る技術を解剖
週刊ポスト
逮捕された不動産投資会社「レーサム」創業者で元会長の田中剛容疑者
《無理やり口に…》レーサム元会長が開いた“薬物性接待パーティー”の中身、参加した国立女子大生への報酬は破格の「1日300万円」【違法薬物事件で逮捕】
週刊ポスト
2日間連続で同じブランドのイヤリングをお召しに(2025年5月20日・21日、撮影/JMPA)
《“完売”の人気ぶり》佳子さまが2日連続で着用された「5000円以下」美濃焼イヤリング  “眞子さんのセットアップ”と色を合わせる絶妙コーデも
NEWSポストセブン
石川県を訪問された愛子さま(2025年5月18日、時事通信フォト)
「バッグのファスナーをすべて開けて検査」愛子さま“つきまとい騒動”で能登訪問に漂っていた“緊張感”
NEWSポストセブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さんが第1子出産》小室圭さんが母・佳代さんから受け継ぐ“おふくろの味”は「マッシュポテト」 関係者が明かす“佳代さんの意外な料理歴”とは
NEWSポストセブン
群馬県草津町の黒岩信忠町長、町長からわいせつ被害を受けたという嘘の告訴をした元町議の新井祥子被告
「ずるずるずるずる、嘘を重ねてしまいました」…草津町長への“性被害でっち上げ” 元女性町議が裁判で語った“発言がどんどん変わった理由
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん明かす「バレーボール愛」と秘かに掲げていた「今年の目標」
NEWSポストセブン
西内まりやがSNSで芸能界引退を発表した(Aflo)
《電撃引退の真相》西内まりや、金銭トラブルの姉と“絶縁”していた…戸籍を抜き、母親とも別居に至った「深刻な事情」
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚を発表した(左・Instagramより)
《RYOKI・三山凌輝が活動休止》結婚予定の趣里、父・水谷豊は“何があっても様々な選択ができるよう”新会社設立の親心
NEWSポストセブン
6月は“毎年絶好調”というデータも(時事通信フォト)
《ホームラン量産モードの大谷翔平》6月は“毎年絶好調”で「月間20本塁打」もあるか? 見えてくる「年間60本塁打」昨季を超える異次元記録
週刊ポスト