投げて、打って、走る──動くたびにドラマが生まれ、異次元の“翔タイム”に全米が歓喜した。
メジャー4年目。4月の開幕直後から、大谷翔平は公式戦で自身初となる投打のリアル二刀流を果たした。熾烈なホームラン王争いを繰り広げ、メジャー史上初の投打でのオールスター出場など、多くの伝説を作った。
人気はプレーだけではない。礼儀正しい姿と発言は尊敬を集め、ファンやチームメイトのみならず、他球団の選手や伝説の元大リーガー、メディアの誰もが彼を愛した。そして、米国の雑誌『タイム』は今年の「世界で最も影響力のある100人」の1人に選出した。
コロナ禍で暗い日々が続いた2021年を、唯一無二の希望の星が明るく照らしてくれた。映画や漫画のようなヒーローを軽々と飛び越えたリアルアスリートとファンの幸福な1年間の記録を振り返ろう。
■5月16日(レッドソックス戦、3番DH)
9回2死からメジャートップタイとなる12号逆転2ランを放ち、ベンチに帰還。喜びを爆発させるチームメイトから祝福の出迎えを受けた。
■7月11日(マリナーズ戦、2番DH)
試合前、サインを求めて殺到するファンに対応する大谷。人垣の中には紺色の帽子を被ったマリナーズファンが交じり、敵地での愛されぶりも異次元。