その静かな声色には怒気もこもっていた。
馬淵時代の終焉か、そして森木が飛躍するのか──。その答えが出るのが、森木が3年生となる2021年夏だった。現代の高校野球を代表する名将にかように無礼な質問を投げかけたからには、顛末を見届けようと高知に通い続けた。
(後編に続く)
取材・文/柳川悠二(やながわ・ゆうじ)
ノンフィクションライター。1976年、宮崎県生まれ。法政大学在学中からスポーツ取材を開始し、主にスポーツ総合誌、週刊誌に寄稿。著書に『永遠のPL学園』(小学館文庫)。2016年、同作で第23回小学館ノンフィクション大賞を受賞。
※週刊ポスト2021年10月15・22日号