眞子さまと小室圭氏の結婚は、「婚姻は家と家のもの」という古い価値観から日本人を解き放つことに繋がる──そんな視点から、お二人の決断を祝福しているのが、作家の下重暁子氏だ。令和の皇族の結婚について、下重氏に聞いた。
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何より素晴らしいのは、皇室の中にいた眞子さまが大学で小室さんと知り合い、「恋」を知ったということ。本当に心から愛する人と出会えたのは幸せなことです。
互いを愛する気持ちを、30歳になるまでずっと守り続けたお二人は立派です。心から拍手を送りたいですね。
結婚となると、どうしても昔ながらの「家制度」が入りがちです。しかし、現代は世界的にも婚姻の価値観がどんどん変わっています。日本でも家制度は崩れかけているし、今後は夫婦別姓が制度化され同性婚も当たり前になるはずです。そんな時代に、旧態依然の家制度を皇室に、しかもこれから民間に出ていく方に強いるのは、愚かなことではないでしょうか。
むしろ眞子さまと小室さんの一件は、日本の結婚が変わりつつあることの象徴として受け止めるべきだと私は思います。
そもそも小室さんの母親の金銭トラブルは、母親と婚約者の問題であり、小室さん本人とはなんら関係ありません。それに収入が少なかったり、経済基盤が整わないまま結婚するケースは世の中ザラにある。そんななかで、小室さんの「家」の資質を問い、皇室の女性と結婚するのにふさわしくないとの反発は時代遅れも甚だしく、ナンセンスです。どこを突いても何も出ない清廉潔白な家など、あるはずがない。
私は2015年に出版した『家族という病』(幻冬舎新書)で、「家族だからわかりあえる」という考えは幻想にすぎないと指摘すると、多くの人が「よくぞ書いてくれた」と共感してくれました。
あの本がなぜベストセラーになったか。それは、どの家庭もみな「家族の問題」を抱えているからです。親子兄弟みんな仲良くて、幸せなんてことがどこにあるでしょうか。皇族も、その結婚相手も、誰もが等しく家族という難題を乗り越えて生きているのです。