国内

日大背任逮捕の前理事長は安倍元首相が「ヤブちゃん」と呼ぶ仲だった

親しいゴルフ仲間だった安倍晋三氏と籔本雅巳容疑者(右。錦秀会の公式サイトより)

親しいゴルフ仲間だった安倍晋三氏と籔本雅巳容疑者(右。錦秀会の公式サイトより)

 日本大学の付属病院の建て替え工事をめぐって、東京地検特捜部は10月7日、日本大学理事の井ノ口忠男容疑者(64)と大阪市の大手医療法人「錦秀会」前理事長・籔本雅巳容疑者(61)を背任容疑で逮捕した。この籔本容疑者は、安倍晋三・元首相が「ヤブちゃん」と呼ぶゴルフ仲間で、大阪・北新地の高級クラブのオープン記念パーティにも呼ばれる仲だったという。本誌・週刊ポスト(2018年2月2日号)では、ノンフィクション作家の森功氏が時の安倍総理と「ヤブちゃん」の関係をリポートしていた。ここに再録する。(以下、年齢や肩書きなどは掲載当時のまま)

 * * *
 安倍晋三首相(63)と加計孝太郎(加計学園理事長・66)の私的交流が政界スキャンダルに発展した“発端”は、安倍昭恵夫人(55)がフェイスブックに載せた「悪巧み写真」だった(※)。だが、そうした“悪だくみ”の匂いを漂わせる別の写真が存在することは知られていない。そこに写る人物は「大阪医療界の寵児」として知られる人物である。

【※男たちの悪巧み:昭恵夫人が2015年12月24日、この言葉とともにフェイスブックに投稿した、安倍氏と友人たちとのプライベート写真。左から加計孝太郎氏、高橋精一郎氏、安倍氏を挟んで増岡聡一郎氏。会合は、増岡氏が専務を務める東京駅前の鉄鋼ビルディングで行なわれた】

 ノンフィクション作家の森功氏がこの“別の写真”についてレポートする。(文中敬称略)

 * * *
「ああ籔本さん、私は総理を介して知りましたが、お二人がどういうご縁でお付き合いが始まったのか、わかりません。スリーハンドレッドのゴルフのとき、松崎勲君といっしょにラウンドしようとなり、それでもうひとり誰かいないか、となった。たしか『それならヤブちゃんがいいのでは』と総理がおっしゃったんだったと思います。それで初めてお会いしました」

 東京駅八重洲口に隣接する鉄鋼ビル専務の増岡聡一郎(55)に聞くと、そう答えてくれた。スリーハンドレッドクラブは東急電鉄二代目社長、五島昇の肝煎りでつくった日本屈指の名門ゴルフ場として知られる。メンバーは厳選された政財界の著名人300人しかいない。祖父の岸信介の代からクラブのメンバーとなってきた安倍晋三は、短い休暇のときにしばしばここを利用してきた。

 2014年7月21日もそうだったのだろう。増岡や松崎らとともにスリーハンドレッドで好きなゴルフを楽しんだ。松崎は昭恵の実弟で、現在、森永製菓グループの森永商事で社長を務めている。

 通常ゴルフは4人組でラウンドする。そのため籔本雅巳(57)を誘ったのだという。安倍昭恵の「男たちの悪巧み」写真と同じように、松崎はこのときクラブハウスで撮影した4人の写真を自らのフェイスブックに投稿した。それが加計学園問題のさなかに蒸し返され、「何者なんだ」と一部で取り沙汰されたのである。

 籔本は大阪で医療法人「錦秀会」の理事長を務める。東京では馴染みが薄いかもしれないが、錦秀会は入院ベッド数で、あの徳洲会グループに次ぐ日本屈指の規模を誇る。籔本はそのマンモス医療法人グループを率いている。首相の他の友人たちと同様、籔本もまた先代、秀雄のあとを継いでグループCEO(最高経営責任者)に就いた二世経営者である。それだけに、安倍とも相通じるものがあるらしい。二人の絆は想像以上に深い。

関連記事

トピックス

女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
【薬物検査どころじゃなかった】広末涼子容疑者「体を丸めて会話拒む」「指示に従わず暴れ…」取り調べ室の中の異様な光景 現在は落ち着き、いよいよ検査可能な状態に
NEWSポストセブン
運転中の広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
《広末涼子の男性同乗者》事故を起こしたジープは“自称マネージャー”のクルマだった「独立直後から彼女を支える関係」
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
《病院の中をウロウロ…挙動不審》広末涼子容疑者、逮捕前に「薬コンプリート!」「あーー逃げたい」など体調不良を吐露していた苦悩…看護師の左足を蹴る
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(写真は2023年12月)と事故現場
《広末涼子が逮捕》「グシャグシャの黒いジープが…」トラック追突事故の目撃者が証言した「緊迫の事故現場」、事故直後の不審な動き“立ったり座ったりはみ出しそうになったり”
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
【広末涼子容疑者が追突事故】「フワーッと交差点に入る」関係者が語った“危なっかしい運転”《15年前にも「追突」の事故歴》
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン