眞子さまと小室圭さんのご結婚が大きな注目を集める中、皇室のあり方をめぐる議論も活発化している。女性セブンの名物アラ還記者“オバ記者”こと野原広子が、皇室への思いを綴る。
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世の中で起こるたいがいのことは、たとえば新型コロナウイルスのワクチン接種にしても、自民党総裁選の結果にしても、白と言う人もいれば黒と言う人もいて意見が分かれるものだけど、こと眞子さま(29才)のご結婚については、右も左も、老いも若きも、日本全国津々浦々みんなが「×」と言っているような気がする。しかもかなり大きな×。幼なじみのE子などは、小室圭さん(30才)がチョンマゲ帰国して早々、「こんなこと許されていいの!」と怒っている。
「だいたい、何様よ。飛行機から降りたら立ち止まって深々と一礼って、早くも皇族気取り? もぅ勘弁してよ!」
その後も怒りの種は尽きない。「あれもこれも税金でしょ?」「“ニューヨーク駆け落ち婚”とかいうと悲劇のヒロインのようだけど、早い話、イギリスのメーガンたちみたいに国内に居づらくなっただけじゃない」「挙げ句に、不調を招いたのは国民のせいみたいなことまで言い出すし」「ワイドショーで皇族をとり上げるときにバックで流れるミョーにすました“皇族音楽”、あれがまた、こっちの神経を逆なでするんだよね」etc.
私とE子がひと通りの×を並べた後でたどり着いたのが1989年秋の紀子さま(55才)ご婚約時のこと。私たちの年頃になると、どうしたって親の代のことになるんだわ。
「最初に紀子さまが頭におリボンをつけて、紺のワンピースを着て出てきたときはビックリしたよ~」
E子は頭のてっぺんにグーを掲げながら、“可憐な紀子さま”の象徴だったおリボンを思い出させてくれる。
そうそう。完全無欠な大和撫子として、紀子さまは私たちに強烈な印象を植え付けたんだっけ。
一日も欠かさないジョギング。追っかけ取材をしているマスコミにしてみせた深々としたお辞儀。お父上が学習院大学の教授で、お住まいはその教職員の共同住宅。ついた呼称が「3LDKのプリンセス」。清く正しく美しく、テレビを見ずに育った英語に堪能な女性──世俗にまみれきった私は、ただただ「はぁ~」とため息をつくしかない。
婚約会見直後のこと。30才を過ぎて麻雀(マージャン)を覚えた私は、学習院で紀子さまと同級生だった男子と雀卓を囲むようになったの。そこであれこれ聞かされて、紀子さまがテレビを通して見せるイメージと、学内で同級生たちが抱いていた気持ちが同じではないことを知ったのだけど、まあ、そりゃそうか。私たちには皇族がこうあってほしいというイメージがあるけれど、必ずしもそれと実像が合っていないこともあるわよね。そもそも私たちの願望が無茶なんで、違って当たり前だとそのときは思っていた。