「プロ野球ドラフト会議」が10月11日に開催される。今年の高校生の注目株で、競合が予想されるのが市立和歌山の小園健太、高知の森木大智、ノースアジア大明桜の風間球打の「高校BIG3」だ。実はその3人は直接の面識はないものの、「SNS」を通じて頻繁に連絡を取り合っているという。ノンフィクションライターの柳川悠二氏が、ドラフト候補の高校球児たちの“イマドキ”なスマホ事情をレポートする。
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夏の甲子園決勝が行なわれた数日後、プロ志望届を提出したばかりの小園を訪ねると、「昨日も森木とは電話しました」とこっそり教えてくれた。
「森木はトレーニングに対する意識が高い。体幹トレーニングを教えてもらっています」
はて、小園と森木はこれまでいったいどこで接点があったのだろうか。
小園は今春の選抜で甲子園のマウンドに立ったものの、森木は高知県内のライバル・明徳義塾の牙城を崩せず、聖地の土を一度も踏めなかった。中学時代も小園が硬式、森木は軟式の出身で接点がないはずだ。
「森木とは会ったことがありません(笑)。インスタグラムでダイレクトメッセージを送って、LINEを教えてもらいました。(天理の)達孝太も連絡先を知っています。達は自分にない身長(193センチ)を持っている。ちょっとだけ羨ましく思ったりします」
これまでトップ選手の交流の場といえば、夏の甲子園後に招集され、国際大会に臨むU−18侍ジャパン(高校日本代表)だった。18歳の球児が長い時間を共にし、将来の夢を語り合う中で、それまで大学や社会人野球に進もうと考えていた球児が一転して、プロ志望届提出を決断することも珍しくない。
だが、昨年、今年と新型コロナウイルスの感染拡大によって国際大会が中止となり、招集は見送られている。世代を代表するような球児にとって、高校日本代表に代わる交流の場が、インスタグラムやツイッターなど「SNS」となっているのだ。小園によれば、同じドラ1候補のノースアジア大明桜の風間ともSNSを通じて連絡を取り合っているという。
「1年生の頃からずっと、U−18は目指していました。それがなくなったのは残念ですが、いつか日の丸を背負えるように頑張っていきたいです」(小園)
また小園と中学時代からバッテリーを組む松川虎生(こう)も今年の高校生を代表する強肩強打の捕手で、ドラフトに自身の将来をゆだねる立場だが、今夏の甲子園の準決勝の夜、ある球児からLINE電話が入ったという。
「今日の俺のバッティング、どうやった?」