三浦大輔監督が就任した昨年オフはほとんどのコーチ陣が留任しているが…(時事通信フォト)
昨年、異例の留任が続出したコーチ陣の刷新は行われるのか──。DeNA三浦大輔監督が来季続投の方針が報じられている。今季は新型コロナウイルスによる影響で外国人選手が開幕に間に合わないという異常事態が発生。3、4月は6勝21敗4分の借金15と大きく出遅れた。しかし、5月以降は46勝47敗11分(10月13日現在。記録は以下同)と勝率5割まであと一歩と持ち直している。
来季は2年契約の2年目。ラミレス前監督は5年でクライマックスシリーズに3度出場し、2017年にはリーグ優勝の広島を退けて日本シリーズにも進出しただけに、三浦監督にAクラス入りを期待する声は大きい。プロ野球担当記者が話す。
「FAを取得した山崎康晃や宮崎敏郎の残留も大事ですが、こればかりは選手の権利ですし、2人の意思次第。球団にできることはコーチ陣の刷新でしょう。ラミレス監督から三浦監督へ変わった昨年オフ、ほとんどのコーチが留任した。Bクラス転落で監督だけが引責辞任した珍しい例でした。
もちろん、それで結果が出たなら来年も残留でいいと思いますが、課題である捕手の育成、機動力の向上、投手陣の整備はできなかった。この部門のコーチが変わらない、もしくは一、二軍の配置転換で済ますならば、来季も期待はできなくなる。そもそも、今年のDeNAは二軍の外野守備走塁コーチを置かないという異例のコーチングスタッフ陣容を組んだ。『やるのは選手だから、コーチは関係ない』と考えているようにも見えかねません。もっとコーチ陣にお金をかけてもよいのではないでしょうか」(以下同)
今年のDeNAはリーグで得点2位、打率1位、本塁打2位とトップクラスの成績を残している。一方で、盗塁は30で最下位。阪神のルーキー中野拓夢は1人で27個を決めている。もう何年も足でチャンスを広げられないチーム事情を抱えているにもかかわらず、今季の一軍走塁担当の現役時代の成績を見ると、永池恭男コーチは実働12年で2盗塁、小池正晃コーチは実働13年で6回しか盗塁していない。かといって、走塁技術に特段長けていたわけでもない。
「DeNAのメンバーを見れば、桑原将志、森敬斗、神里和毅、宮本秀明など足のある選手は多い。チーム方針として、危険を冒さずに中軸の打撃に期待しているのかもしれませんが、それにしても盗塁が少ない。指導者次第で、彼らは開花する可能性を秘めている。たとえば、巨人の増田大輝は2019年に鈴木尚広コーチの指導もあって、代走のスペシャリストとして開花しました。しかし、今年は盗塁数が減っているだけでなく、走塁自体にキレが見られない。鈴木コーチがいたら、どう対処していたのかと考えてしまいます。よく足にスランプはないと言いますが、コーチ次第で成績は変わるのではないでしょうか」