《7日午前7時10分ごろ、相模原市南区東林間5丁目の小田急江ノ島線の東林間~中央林間間で、同区在住の音楽家の男性(32才)が藤沢発新宿行きの急行電車にひかれ、死亡した》
10月8日、神奈川県の地元紙の片隅に載った小さな記事だ。報道から1週間後、NHK紅白歌合戦にも出場した神奈川県を拠点とする32才の人気アーティストの死が、所属事務所によって公表された。
《「Suchmos」のベーシスト、「HSU」こと小杉隼太さんが永眠いたしました》
この哀しき点と点は、非業の線として繋がる──。
Suchmosは、2013年に結成された男性6人組のバンドだ。ロック、ソウル、ジャズ、さまざまな音楽ジャンルを取り入れて、唯一無二の世界観を創り上げて人気を博す。2018年にはサッカーW杯のNHKテーマソング『VOLT-AGE』が話題になり、同年の紅白歌合戦にも初出場するなど、活躍の場を広げていた。
「なかでも小杉さんは、小学校に入る前からギターを始め、大学でジャズを学んだ経歴があり、楽曲制作面で欠かせないメンバーでした。多くの作品の作詞まで手がけています」(音楽関係者)
あまりに若く、そして突然の訃報に音楽業界は瞬く間に悲しみに包まれた。ダウンタウンの浜田雅功(58才)の息子で、自身もベーシストである友人のハマ・オカモト(30才)は《隼太ありがとう!会いたいよ!》《ついこの間、バカみたいに褒め合ったけど、まだ足りないよ》と自身のSNSに投稿して死を悼んだ。
そして、悲しみの淵の深さを誰よりも強く語ったのは、彼らとは年齢も音楽性も異なる歌姫、松任谷由実(67才)だ。
《この悲しさ、この悔しさを、どう表したらいいんだろう。きっと彼のベースは既に超越していたから、早く音楽の神様に召されたのだと思う》と始まり、《また会いましょうね。そしていつか一緒に音楽しましょうね》と締めくくられた長い“弔文”を送った。
意外にも思える2人の接点だが、ユーミンはこれまで、Suchmosのメンバーとステージ上で共演してきた。