東京都心にあって、鬱蒼と茂る木々に囲まれたその場所に、喧騒は届かない。皇居・宮中三殿。静謐で神聖な空間で、世間の声に煩わされず、秋篠宮家の長女・眞子さまは皇室を去る決意を新たにされただろう。眞子さまは10月19日、皇室の祖先などを祀る宮中三殿を私的にご参拝し、結婚の報告をされた。
「眞子さまは午前9時48分に皇居に入られ、20分ほどでお帰りになられました。胸の前で小刻みにお手振りはしてくださったのですが、表情は曇っており、緊張や不安が見て取れました。また、宮中祭祀に赴いた17日と比較して、心なしか目が腫れていたようにも見受けられました。前日の小室さんとの再会で、涙を流されたのでしょうか」(皇室記者)
22日には天皇皇后両陛下のもとをおひとりで訪ね、お別れの挨拶をされた。長い停滞期間から一転、結婚への段取りが急ピッチで進められる。ただ、その道のりは異例ずくめだ。
女性皇族が結婚される場合、一般の結納にあたる「納采の儀」や結婚の日取りを伝える「告期の儀」など、さまざまな儀式がある。しかし、眞子さまの結婚では、そうした儀式は一切行われない。
「小室圭さんと母・佳代さんを取り巻く金銭トラブルや疑惑が解消されておらず、世間が祝福ムード一色ではないということが、儀式を行わない大きな理由です。儀式の取りやめは、秋篠宮さまのお考えだったと聞いています。しかし、一方で天皇陛下は、女性皇族の結婚の中心儀式である『朝見の儀』は執り行うべき、というご意志をお持ちだったそうです」(宮内庁関係者)
朝見の儀とは、皇籍を離脱する女性皇族が両陛下にお別れの挨拶をする儀式で、行うかどうかは陛下がお決めになる。ほかの儀式は、秋篠宮家のプライベートなものなので秋篠宮さまの一存で不開催は決められるだろうが、朝見の儀は天皇皇后両陛下が直接かかわるだけに、陛下のご意志は無視できるものではないはずだ。
「陛下にとって眞子さまは、幼少の愛子さまの遊び相手をしてくれたかわいい姪ですし、女性皇族の務めをしっかりと果たされてきたという感謝の気持ちもおありのようです。
ただ、それだけではありません。皇室の伝統の守護者であり、今後も未来永劫と続いていく皇室に責任を持たれる立場の陛下としては、前代未聞のイレギュラーな形での皇籍離脱は、皇室の伝統と歴史に信頼を寄せる国民の気持ちを裏切ることになりかねず、慎重であらねばならないとお考えだったのでしょう」(前出・宮内庁関係者)
今回は「異例」のことであっても、一度でも現実に行われてしまえば、それは「前例」となる。両陛下の脳裏には、「愛子さまのご結婚時にも、儀式を行うか、行わないかで議論が起こるかもしれない」ということが浮かばないはずはないだろう。
「皇室のトップとして陛下は、皇族の人数の減少にも苦慮されています。たしかに現状では祝福一色のなかでのご結婚ではないかもしれないが、将来、眞子さまや小室さんの振る舞いによって国民の敬愛を得られれば、皇室の先細りの中で、眞子さまが元皇族として皇室関連の行事に携わることがないともいえないわけです。
その際、儀式を経ずに皇室を離れた眞子さまの立場が悪くなってしまうことにも、陛下は不安がおありなのでしょう」(皇室ジャーナリスト)