コロナ禍による巣ごもり需要で、世界的ブームを巻き起こしている韓国のエンタメ。『愛の不時着』や『梨泰院クラス』などの韓国ドラマから、BTS(防弾少年団)を筆頭としたK-POPなど、人気は高まる一方である。それに加えて、今日本で盛り上がりを見せているのが韓国のバラエティ番組だ。『韓国バラエティファンガイド2022』(扶桑社刊)などを執筆し、韓流エンタメ事情に詳しいライターの石見美由紀さんが話す。
「日本で見れる韓国の動画と言えば、これまでは映画やドラマがほとんどで、韓国で放送されている番組を見ようと思ったら、CSの韓流専門チャンネルで見るくらいしか方法はありませんでした。しかし今は、NetflixやAmazon Prime Video、ABEMAなど、多くの動画配信サービスがさまざまなコンテンツを配信しており、韓流番組が身近になっています。その中でも特に注目を集めているのが、韓国の人気バラエティ番組です。
K-POP好きの若い女性層などの以前からの韓流ファンだけでなく、映画『パラサイト 半地下の家族』やドラマ『愛の不時着』、『梨泰院クラス』といった比較的最近のファン層も取り込んで、大きな盛り上がりを見せています」(石見さん・以下同)
韓国のバラエティ番組が人気の理由は、「俳優やアイドルの素顔やプライベートな姿を見ることができ、トップスターたちを身近に感じられる」ことだと石見さんは話す。
「例えば、2008年から10年間続いた『私たち結婚しました』は、韓流スター同士が“仮想結婚”し、一緒に生活する様子を描いたバラエティ番組で、少女時代や2PMのメンバーなど、日本でも人気のK-POPアイドルや人気若手俳優が出演して一大ブームを巻き起こしました。お気に入りのアイドルの素顔が垣間見えるのが反響を呼び、CSの韓流専門番組などで配信が開始されると、日本の韓流ファンを瞬く間に夢中にさせました」
『私たち結婚しました』は、野村周平とさとうほなみが主演で“7日間の結婚生活”を送るリアル恋愛バラエティ番組として日本でもリメイクされ、7月からABEMAで配信が開始された。
「昨今の韓国バラエティ番組は“リアルバラエティ”が主流となっていて、独身男性芸能人の一人暮らしを覗き見する『密着バラエティ』や、人気スターが軍隊に入り軍人生活を送る韓国ならではの『体験型バラエティ』、スターたちが実際に自分たちだけで海外旅行する『バックパックバラエティ』、期間限定で民宿や食堂をオープンする『おもてなしバラエティ』など、どれも憧れのスターの意外な素顔を発見できるのが最大の魅力です。
日本ではNetflixやAmazon Prime Video、ABEMAのほか、U-NEXT、dTV、Paraviなどでも見ることができます。SNSなどの口コミでは『韓国バラエティは毎日見ても見飽きない』『コロナ禍で韓国旅行に行けないから、最近は韓国バラエティを見るのが習慣になった』『番組が充実してるから有料プランに加入した』など、韓国バラエティの虜になる人が続出しています」