緊急事態宣言が明け、一週間ほど経った10月の週末。都内のショッピングモールに向かう人々の足取りは、心なしか軽く、マスク越しにも笑顔があふれているのがよくわかる。雑踏にまぎれていたのは、黒のパフスリーブブラウスに、黒のパンツ、スタッズ付きのローファーを合わせ、秋の装いに身を固めた女性と、彼女の手にしっかりと手を絡ませる長身の男性。まるで新婚カップルのようなふたりは、最新アルバム『続・40周年記念アルバム SEIKO MATSUDA 2021』を発売したばかりの歌手・松田聖子(59才)とその夫だった。
ふたりは、化粧品売り場や雑貨店を回った後、とある人気ブランドへ。「女子高生や女子大生といった若い女性に支持され、お値段もお手頃だと評判の『アースミュージック&エコロジー ナチュラルストア』に入ったので、びっくりしました。秋用のコートを何着か念入りに試着していましたよ。しかも、それが全部似合ってるんです。まさかショッピングモールの試着室で聖子ちゃんに会えるなんて、一生の宝物です」(居合わせた女性客)
聖子と夫は、その後スーパーへ。その日の献立を相談しているのか、ゆっくりとスーパーを一周。野菜をメインにお目当ての食材を購入すると、手慣れた様子で手分けして買い物袋を車に詰め込み、帰路についた。あまりに普通にショッピングする姿に、このスーパーには、彼女があの歌姫・聖子とその夫であると気づいた買い物客はほとんどいなかった──。
昨年デビュー40周年を迎えた聖子は現在、テレビ、ラジオに相次いで出演。初めて映画監督に挑戦したことも発表された。日々多忙を極めるが、昨年のデビュー40周年のメモリアルイヤーはコロナの影響で散々だった。
「さいたまスーパーアリーナを皮切りに6月から10月まで予定されていた記念コンサートは、新型コロナのため、すべて延期されました。さらに年末恒例のディナーショーは、前年東京・大阪・名古屋を中心に全23公演行われていたものが、東京一か所だけで全4公演に縮小。それに東京・表参道にあった自身の公式ショップも閉店しました。ツアーのキャンセルなどによる損失は、5億円を超えるとされます」(音楽関係者)
だが彼女は、転んでもタダでは起きなかった。音楽関係者が続ける。
「今年は40年ぶりにMVで聖子ちゃんカットを披露。白いワンピース姿で『青い珊瑚礁』を歌う姿に、往年のファンは大歓喜です。昨年できなかった全国ツアーも6月にスタートし、2万3000円するプレミアムシートの売れ行きは絶好調。節目の記念イヤーは昨年で終わったのに、10月発売のアルバムに『続・40周年記念』と銘打つ商売上手には驚かされました。コロナの損失挽回にひた走る聖子さんは、やはりたくましい(笑い)」