京都府警科学捜査研究所の法医研究員・榊マリコがDNA鑑定や画像解析など最新の科学を駆使して、難事件を解決する人気ドラマ『科捜研の女』(木曜午後8時、テレビ朝日系、以下『科捜研』)。1999年に第1話が放送され、現行の連続ドラマの中で最長の歴史を誇る人気シリーズだが、テレ朝関係者はいう。
「実は『科捜研』は、今シーズンを最後に、終了することが決まっています。厳密に言えば、同ドラマが放送されている“木曜夜8時枠”ごとなくなります」(テレ朝関係者)
背景には、個人視聴率が重視されるようになったこと、京都撮影所で撮影されるため、出張費や滞在費が余分にかかることなど、さまざまな理由が囁かれているが、マリコを演じる沢口靖子(56才)が多大なショックを受けたことは想像に難くない。今回の決定を受けて、沢口の知人が嘆息する。
「沢口さんは突然の“クビ切り宣告”が残念でたまらないはずです。なにしろ彼女は、『マリコは私の分身』と常々口にするほど、このドラマに打ち込んでいましたから」
キャストのなかで唯一、シーズン1から同一役で出演し続けている沢口は、全身全霊でマリコ役に臨んできた。「沢口さんはとにかく真面目なんです」と語るのは、ドラマの制作スタッフだ。
「勝手知ったる大ベテランなのに、沢口さんはクランクインの1週間前には京都に入って、撮影に備えます。クランクイン直前に移動するのでは体調を崩すかもしれないし、万が一、自然災害で新幹線が不通になったら困るからとのこと。熱血刑事役で共演する内藤剛志さん(66才)は、『ほかの共演者にプレッシャーがかかる』と苦笑しています。
しかも沢口さんはせりふを完璧に覚えることで有名で、難解な科学用語をちりばめた長めのせりふもあるのに、22年間でほとんどNGを出したことがありません」
ベストな体調で撮影に臨むため、私生活でも細心の注意を払う。
「休日はストイックにジムに通い、暑い夏でも健康管理のため冷たい飲み物を避け、口にするのは白湯だけです。独身を貫き、これまで男性関係の浮いた話はほとんどありませんでしたが、完璧主義者の彼女はその分、仕事に打ち込んでいるんです」(前出・沢口の知人)
1984年に東宝シンデレラのグランプリに輝いて高校3年生で芸能界デビューし、翌年のNHK連続テレビ小説『澪つくし』のヒロインを演じて人気女優の仲間入りをした沢口。34才のときに『科捜研』がスタートすると、京都が第二の故郷となった。
「マリコを演じるようになってから京都での撮影ばかりで、撮影の合間にひとりで街をウロウロすることもあり、ファンに声をかけられると『〇月〇日から「科捜研の女」が始まるから、必ず見てくださいね』と返答するそうです。
排他的といわれがちな京都の人々も仕事熱心な沢口さんを快く受け入れ、ロケ先でも『科捜研のためなら』と撮影OKにしてくれるところが多い。沢口さんを筆頭にスタッフも京都への敬意を示しており、内藤さんにいたっては、ドラマが始まってから京都に本籍を移したほどです」(前出・ドラマ制作スタッフ)