米政府はすでにUFOと宇宙人の存在を把握しているが、国民の動揺を恐れ、情報を隠し続けている──。1980年代のUFOブーム以降、まことしやかに語り継がれてきた“都市伝説”だが、その真相がいよいよ明らかになるのだろうか。
米当局は今年6月、2004年以降に米軍などから寄せられた「UFO目撃情報」の調査結果を公表。UFO(未確認飛行物体)をUAP(未確認空中現象)と再定義し、調査対象144件の大半が「説明不能」であることを認めた。
それらの中には、急激な方向転換や急加速、高高度での静止など不可解な動きをするものが含まれており、「UAPは、国家安全保障上の課題となる可能性がある」と結論付けたのだ。
報告書は、UAPが鳥やドローンの誤認、自然現象のほか、中国やロシアの「先端兵器」である可能性にも踏み込んだ。だが、地球外知的生命体の関与については否定も肯定もしなかった。作家でオカルト研究家の山口敏太郎氏が語る。
「米国は60年以上前から政府内にUFO・宇宙人関連の調査機関を置き、秘密裏に情報収集や研究を行なってきた歴史がある。一方で、東西冷戦などを背景に、あらゆる情報を隠蔽し続けました。『正体不明の物体が自国上空を自在に飛んでいる』『実は宇宙人が来ています』とは口が裂けても言えなかったのでしょう。今回、米当局がUAPの情報を開示したことは注目に値します」
米当局の方針転換は、トランプ前大統領の強い意向を受けたものだった。トランプ氏は大統領選敗北を認めざるを得なくなっていた昨年12月、「UFOに関する報告書の開示」を政府機関に求める法案に署名した。
バイデン大統領にとっては、とんだ“置き土産”となったが、バイデン氏自身も記者会見でUFO問題について問われ「オバマ氏に聞いておくよ」と意味深な回答をしている。
SNSやネットの発達も影響か
こうした米政府の対応の変化から、どのようなことが読み取れるのか。
「SNSやネットの発達で、もはやUFO・宇宙人の存在を隠し切れなくなっている、というのが実情ではないか。米国は近い将来、宇宙人の存在を公表すると思います。ただ、あまりにインパクトが大きいので、情報は小出しにリークされるでしょう。今後はハリウッド映画などを巧みに利用し、徐々に浸透させていくはずです」(同前)