国内

コロナ感染者数はなぜ減ったのか、第六波はくるのか 専門家17人の見解

新型コロナウイルスの新規感染者数激減の理由は(イメージ)

新型コロナウイルスの新規感染者数激減の理由は(イメージ)

 新型コロナウイルスの新規感染者数が激減している。東京では8月13日に1日として最高となる5773人を記録したが、8月最終週から6週連続で4割減のペースで減り続け、10月18日には1日30人を下回った(10月21日時点)。なぜここまで急激に減ったのか。感染症に詳しい専門家17人に訊いた。

 感染者減の理由については、9月28日、政府分科会の尾見茂会長が提示した要素「人流の減少」「感染対策の徹底」「ワクチンの効果」「天候」に賛同する意見が多かった。

「『人々の行動の変容』『ワクチン接種』『季節性』の3つが複合的に絡み合った結果」(ナビタスクリニック理事長の久住英二氏)

 一方で、人流の減少や感染症対策も以前とさほど変わっていないことから、「医学的な根拠は示せない」(東北大学災害科学国際研究所の教授児玉栄一氏)という率直な声も聞かれた。また、人為的な理由ではなく、コロナウイルスそのものに原因があるという指摘も。

「SARSウイルスは変異して感染力が弱まったことで、急速に感染者が減った。新型コロナウイルスにも同様の変化が起きたのでは」(マールクリニック横須賀院長の水野靖大氏)

 そもそも感染者数は変わっていないのではないかという疑問もあがる。

「ワクチン接種が進み、感染しても無症状の人が増え、PCR検査を受けなくなった。都内の保健所の一部では検査数がピーク時の3割以下に落ちている」(心越クリニック院長の岩間洋亮氏)

 あわせて第六波が来る可能性についても訊いた。規模の差はあれど、17人全員が「今冬に来る」と回答している。ウイルス性の感染症は冬に感染拡大しやすく、コロナウイルスも例外ではない。昨冬は1月7日に都内の感染者が2000人を超え、首都圏1都3県に2度目の緊急事態宣言が発令された。

「今年は急激に冷え込んだので昨冬より早く、11月には感染拡大が訪れるのでは」(即仁会北広島病院・札幌呼吸器医学研究所所長の高橋謙造氏)

「初雪が観測された北海道は下げ止まりが窺える。北海道で感染拡大すると、2~3週間後に本州でも本格化する可能性がある」(昭和大学医学部客員教授の二木芳人氏)

 ただし、第六波が来ても、ワクチン接種が進んだことで昨冬とは事情が異なるという。

「厚労省は”第六波で5000床が不足する”と試算していましたが、重症者や死亡者は大きく増えないと見ているため、医療崩壊が起きるとは考えにくい」(関西福祉大学教授の勝田吉彰氏)

 もっともそれは「新たな変異株が現われないこと」が前提だ。

「高齢者はワクチン接種から半年経過していて抗体が減っている。変異次第では昨冬以上に危険なことになる」(前出の水野氏)

関連記事

トピックス

悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
3月末でNHKを退社し、フリーとなった中川安奈アナ(インスタグラムより)
《“元カレ写真並べる”が注目》元NHK中川安奈アナ、“送別会なし”に「NHK冷たい」の声も それでもNHKの判断が「賢明」と言えるテレビ業界のリスク事情
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン