紅白への変わらぬ熱意を明かしていたが…(時事通信フォト)
11月が近づくにつれ“恒例行事”になっているのが大物歌手たちによる「紅白不出場」宣言だ。今年、先陣を切ったのは演歌歌手の五木ひろし(73)だった。10月17日、デビュー50周年記念コンサートで、「昨年50回を迎え、大きな区切りをつけました。この喜びを胸に終了したいと思います」と宣言したのだ。
ところが、この“終了宣言”に首をかしげる音楽関係者やファンがいる。読売新聞の連載企画「時代の証言者」に8月下旬から登場していた五木が、紅白への変わらぬ熱意を明かしていたのだ。
10月6日付の同記事では、紅白歌合戦で最多出場は五木と北島三郎の50回、連続出場記録は五木が持つとした上で、こう綴られていた。
〈紅白の最多出場を記録することは、最高の歌手として名を刻むことと同義だと思っています。だから記録にもこだわります〉〈よく「出場辞退」「卒業」といった言葉を聞きますが、僕には理解できません。僕が出場に値しないと判断するなら、選から外せばいい〉
最後は、この一文で締められた。
〈そして、今年も思い出に残るステージを実現したいと思っています〉
記事を読む限りでは、今年も紅白出場を目指すという宣言に受け取れるが、それからわずか11日後に「理解できません」としていた不出場表明をしたことになる。NHK関係者が語る。
「そもそも昨年末の紅白で、五木さんの歌唱前に、50回連続出場で『私にとっても大きな区切りとして、万感の思いを込めて歌います』というコメントが紹介され、間奏では過去の出演シーンが流れるなどフィナーレを飾るような演出になっていた」
当時から、紅白サイドと五木とで、出演を巡る攻防があったという。
「昨年末の時点で“勇退”をお願いしていたはずですが、五木さんサイドはかなり抵抗していたようです。単独最多になる51回という記録のためにも、あと1年だけでも出してほしいと粘っていたと聞いています。出場歌手発表前の駆け引きはよくあることなので、(読売の記事は)五木さんなりの最後のアピールだったのでは」(同前)