発足当初から波乱含みの岸田政権の命運やいかに。週刊ポスト恒例「老人党座談会」。政界の長老、亀井静香氏、山崎拓氏、藤井裕久氏の3人が長年の政局観で占う。(全3回の第3回)
亀井:安倍(晋三)も、麻生(太郎)も甘利(明)も、3人とも経済なんて分かってないだろう。それが今や日本を取り仕切っているというんだから、日本もアカンわ。むしろ選挙の注目は野党共闘でしょう。やってみんと分からんが、岸田政権の支持率が上がらない中で小選挙区だから、野党がきちっとまとまってやれば、自民党は大変なことになる。
野党もね、共産党の志位和夫は理論とかにこだわらず、現実にどうしたら得かしか考えていない男だから、自分たちが入ると言ったら共同戦線が割れると思うから閣外協力とした。なかなか賢いよ。このままいったら、全国の小選挙区で自民党は大変な戦いになるな。保守王国の広島ですら大変な戦いになる。
藤井:共産党については、私は立憲民主党にはとりあえず仲間に入れたっていいじゃないかと言っていました。例えば、自民党は自分とこの総理、田中角栄を「殺す」とまで言っていた石原慎太郎さんがいた。青年将校のような青嵐会まで内側に抱えられる自民党を見習え、と言っています。
亀井:立憲民主党はいまだに労組に頼っていて、確かに集会には労組の幹部は出てくるが、彼らのほとんどが入れてるのは自民党だよ。それが実態なんです。だから、労組頼みはもう脱却したほうがいい。
それより共産党は小選挙区ごとに2万から3万の票を持っているから、それがどこに付くかで全然違う。野党共闘がうまくいけば、来年の参院選は大変な結果が出る可能性はあるな。そうなれば自民党と公明党だけの政権はあり得ない。一気に3党か4党、もっと広い政治勢力が結集した政権でないと持たなくなるんじゃないか。
山崎:確かに野党共闘の影響はかなりあると思いますね。総裁選で自民党の支持率が上がった結果、今まで「苦戦」だったのが「善戦」に変わったところが結構あるんですね。でも「必勝」になったわけではない。
岸田さんが何かのことで躓くことがあれば、善戦がまた苦戦に変わることはあると思います。なかなか難しい選挙情勢だと思います。