NHKの連続テレビ小説『おかえりモネ』で、主人公の職業であることでも注目を集める気象予報士。芸能界では“お笑い”、“アイドル”、“女子大生”など、異色の気象予報士が続々誕生している。最新トレンドを放送作家の山田美保子さんが解説する。
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「大学生気象予報士の…」と『THE TIME’』(TBS系)で同局の杉山真也アナウンサーから紹介されるのは、『ウェザーマップ』所属の山下佳織気象予報士。慶應義塾大学在学中の現役女子大生である。
また、2020年10月より『news zero』(日本テレビ系)で、木・金曜日に出演しているのは、法政大学に通う村上なつみ気象予報士。『セント・フォーススプラウト』の所属である。角田華子、吉田恵、高樹千佳子、皆藤愛子ら、『めざましテレビ』(フジテレビ系)の歴代人気お天気キャスターを輩出してきた『セント・フォース』の“妹事務所”から、ついに気象予報士の資格をもったお天気キャスターが出てきたのかと、感慨深い気持ちになった。
連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK)でも注目を集めた「気象予報士」なるお仕事。一時期、女性アナウンサーが「欲しくて欲しくて、たまらない資格」と言われたものだ。理由は、「お天気おねえさん」の寿命は短いが、「気象予報士」なら、少なくとも“30歳定年説”からは逃れられるからである。
だから、家庭教師をつけて猛勉していた女性アナウンサーもいたし、テレビ局によっては、気象予報士を招いて“勉強会”を実施していたほどだ。が、年に2回行われる試験は「石原良純(1997年に資格取得)の時代より格段に難しくなっている」とも言われ、合格率5%に満たないときもあると聞く。それを受け続けている間には、アナウンス室から別の部署へ異動させられてしまうケースも。やっとの想いで資格を取得しても、アナウンサーでなくなれば、(女性の場合は特に)番組からお声がかかることはないのである。
そんな中、「もっていたら、いいかも」と思いつき、わずか半年、お勉強しただけで気象予報士の資格を取得。アナウンサーとして入社し、朝ワイド担当になった瞬間に「気象予報士の…」と紹介されていた逸材もいる。メ~テレ(名古屋テレビ放送)の南雲穂波アナだ。最終学歴は東京大学大学院工学系研究科建築学専攻卒業。グルメコーナーでは、目の前にした食べ物を世界中の建築物に例える一風変わった、しかし、いかにも偏差値が高い食リポにも人気が集まっている。
こうして在学中に気象予報士の資格を取得したアナウンサーやキャスターが登場してしまうと、無資格のお天気キャスターは少々肩身が狭くなってしまうのではないだろうか。「好きなお天気キャスター/気象予報士ランキング」の常連だった間も、「私は、気象予報士さんの予報を読んでいるだけ」と正直に答えていた皆藤愛子のような人たちだ。