一体、この高校の規律はどうなっているのか。本誌・週刊ポスト2021年11月5日号で男子柔道部員による「女子更衣室のぞき見事件」が発覚した大阪偕星学園高校。8月には甲子園出場経験もある同校野球部のコーチが部員に対する強制わいせつ罪で逮捕・起訴されていたことも報じられている。
その大阪偕星学園高校で、今度は野球部員による窃盗事件が起き、高野連から厳重注意を受けていたことが関係者への取材で分かった。学校関係者が語る。
「7月24日、寮に宿泊していた野球部の長谷部元伸監督の財布から数十万円が盗まれる事件がありました。監督が警察に通報したところ、それを知った野球部員4人が『自分たちがやりました』と学校側に報告したのです。監督の財布には常に100万ほどの札束が入っており、普段から脈絡もなしに『金、持ってるんやで』と財布の中身を部員に見せびらかすことがあったので、狙われたんでしょう」
部員は一度に2万~5万円程度抜き取っていたが、監督は気付かず、これを何度も繰り返すことで被害額が膨らんでいったという。
「警察は来ましたが、監督は被害届を出さずに事を収めた。学校が高野連に報告し、高野連からは厳重注意を受けました。4人の部員はその後、寮を出て自宅待機となり、しばらくしてから自主退学となりました」(同前)
同校に聞くと、代わりに顧問弁護士が対応し、部員による窃盗事件があったことを認めた上で、「すでに高野連に報告しておりますので、詳細についてはお話しできない」と回答した。
高野連も「処分内容など細かいことは伝えられないが、窃盗事件について学校側から報告があったことは事実です」と答えた。
事件の被害者である長谷部監督を直撃すると、「この件に関しては、学校を通してほしいんですが……」としながらも話し始めた。
「細かいことはもう済んだ話ですから。ただひとつ言いたいのは、僕がお金を普段から見せびらかしていた、ということはありません。一度だけ寮の関係者に経費70万円を支払う時に、脇に生徒がいたことはありました。財布の中身を見られたとしたら、その1回だけです。僕はカードを持たないので。銀行預金は1万7000円しかない。その代わりに現金を持っているだけです。お金持ちでもなんでもない」