役を演じれば「別次元の存在感」と評され、バラエティーではその天然さで笑いを巻き起こす草なぎ剛(47)。その個性が輝くのはワケがあった──。コラムニストで放送作家の山田美保子さんが、草なぎ剛に迫る。
なんてことない会話ができる関係が続いているのはうれしい
山田:何から、お聞きしたらいいでしょう。少しお目にかからなかった間に、剛クンにお聞きしたいことがたまってしまって……。
草なぎ:そうだよね~、意外とお久しぶりですからね~。そうだなぁ、最新の話でいうと、『青天を衝け』(NHK)が、つい2~3日前に、ようやくクランクアップしたんですよ。これまで、こんなに長い期間、1つの役に集中したことはなかったので、貴重な経験をさせてもらいましたね。
(徳川)慶喜の晩年まで演じられたことで、過去の大河ドラマでは描かれなかった将軍を退いてからのこともやらせてもらえて、たくさん素敵なせりふもいただけて、色に染まれたというのはあったかな。でもね、正直に言うと、そんな細かいこと言ってないで、元気に健康に過ごせるのがいちばん大事だなって改めて思ってます。コロナ禍で外に出られなくなって、どんどん運動不足になるなかで、この2年は体のことをものすごく考えるようになりました。『青天を衝け』では馬に乗るシーンが多かったんだけど、ちゃんと足で挟んで落ちないようにするには、筋力や体力がものすごく必要なんですよ。そんなにストイックに鍛えているワケじゃないけれど、階段の上り下りとか、けっこう、やってましたね。
山田:そういえば、松尾諭サン(45)のエッセー『拾われた男』がドラマ化されて、来年、ディズニーの公式配信サービス「Disney+」で世界配信されることも発表されましたね。
草なぎ:そう、先日、仲野太賀クン(28)と伊藤沙莉チャン(27)と一緒にイベントに出てきたんですけど……、まだ、よく、わかってないんだよね~。『拾われた男』というタイトルにちなんで、「(愛犬の)クルミちゃんの散歩をしてると、ぼくが飼い主で迎え入れたけど、実は、クルミちゃんに拾われたんじゃないかと思う」と、お話しさせてもらいました。クルミちゃん? はい、レオンちゃん共々とっても元気です。YouTubeでネタがなくなってくると、クルミとレオンを膝の上に置いておくと、なんとかなるという(笑い)。再生回数が上がるんだよね。ぼくひとりのときよりも。ぼくより人気者ってことです。ほんとにカワイイっすね〜。沙莉チャンとは『メルカリ』のCMでもご一緒してるんですけど、実は、そんなに絡みがないんですよ。タモリさん(76)とも、ちゃんと絡んでいるのはぼくだけ。(ナレーションを担当している)『ブラタモリ』(NHK)が長く続いているお陰で、“いいとも”(『笑っていいとも!』〈フジテレビ系〉)が終わった後も関係性が途切れずにいた中での『メルカリ』のCMで。タモリさん、相変わらず、おそばが大好きなんですよ。この間も、撮影スタジオで「ここのそばはうまいんだ。剛、食べるか?」って言うから、「いや、食べてきちゃったんで」と言ったのに「ここのそばはうまくつくろうとしてないからうまいんだ」ってワケわかんないこと言って……。ほんとタモリさんらしいなぁって(笑い)。でも、こういう、なんてことない会話ができる関係が続いているのはうれしいことですよね。