自らの意思を貫いて結婚した小室眞子さん。この事実が、皇室に重大な影響を与えるかもしれない。いま注視されているのが、愛子さまの将来だ。皇室典範はその第1条で〈皇位は皇統に属する男系の男子がこれを継承する〉と定めているが、1969年に紀宮さま(現・黒田清子さん)が生まれて以来、2001年の愛子さままで、皇室に誕生したのは9人連続で女子。
そこで2004年、当時の小泉純一郎首相は「皇室典範に関する有識者会議」を立ち上げ、女性・女系天皇を認めた上で、「継承順位は男女を問わず第1子を優先とする」という報告書を提出した。
だが保守派を中心とする反発は強く、2006年に悠仁さまが誕生すると女性・女系論議は一気に鎮静化した。
「代わって浮上したのが、女性皇族が結婚後も皇室に残る『女性宮家』の創設です。皇室典範第12条は皇族女子は結婚すると〈皇族の身分を離れる〉と定めている。
現状のままでは、佳子さまと愛子さまがご結婚すると、次代の皇室を支えるのは悠仁さまのみになってしまう。待ったなしの状況で、眞子さんの結婚を機に女性宮家創設の機運も高まっています」(皇室ジャーナリスト・神田秀一氏)
女性宮家が創設された場合、内親王の佳子さまと愛子さまが、それぞれ宮家の当主となると見られている。宮内庁担当記者が語る。
「女性宮家を入り口に、女系・女性天皇問題が再び議題にあがる可能性もあります。悠仁さまよりも天皇陛下の長子である愛子さまが皇位を継ぐべきだという意見は根強くあり、今回の眞子さんのご結婚をめぐって秋篠宮家にも厳しい目が向けられたことで、一般にもその声は広まりつつあります」
だが、毎日新聞(2021年7月26日付)が〈女性皇族方は現行制度を前提とした人生設計を描いている〉〈女性皇族方のお気持ちやご意向を十分に尊重できるよう考慮してもらいたい〉とする宮内庁職員の証言を報じたように、女性宮家の創設が女性皇族の意思に添うものか否かは議論が残る。
また、愛子さまが仮に女性宮家の当主になった場合、別の難題が発生する。宮内庁関係者が語る。
「悠仁さまが天皇に即位する一方で、現天皇直系の愛子さまが宮家当主として皇室に残るという、“二重権威”の状況が生まれてしまう。これまで天皇を中心にひとつにまとまっていた皇室が分裂しかねないのです。愛子さまも悠仁さまも複雑なお立場になり、苦悩されるのではないか」