芸能

記録的ヒットの『イカゲーム』 “敗者”描いた作品に韓国人が戸惑う理由

イカゲーム

世界を席巻している『イカゲーム』(写真/Netflix公式HPより)

 Netflixで配信されると、瞬く間に世界中で人気を呼んだ韓国ドラマ『イカゲーム』。日本でも9月の配信開始後すぐに注目を集め、「今日の総合TOP 10(日本)」では現在も首位をキープしている。だが、ソウル在住のKDDI総合研究所特別研究員・趙章恩さんによると、韓国ではこの世界的大ヒットに首をかしげる人も多いという。その理由について、趙さんがリポートする。

 * * *
 今、世界中で人気を呼んでいる『イカゲーム』。貿易会社に勤める友人によると、米国、英国、フランスなど海外取引先とのオンライン会議では毎回、天気の話をするように『イカゲーム』の話をしてから会議が始まるのだという。韓国でも、人が集まると自然と『イカゲーム観た?』という会話から始まるほど話題だが、一方で韓国人の間では「あのドラマがなぜ海外でここまでヒットするのか」という話題で持ちきりでもある。

『イカゲーム』は、456億ウォン(約44億円)の賞金を懸けた謎のデスゲームに、参加者たちが命をかけて挑戦する物語。世界90か国で視聴回数1位を獲得し、記録的な大ヒットとなっている。配信が開始されると、直後にNetflixの加入者が増加し、株価も一気に歴代最高値を更新したというから驚きだ。10月12日付の米ABCニュースによると、ハロウィンに向けてオンラインショッピングモールでは『イカゲーム』のコスチュームが飛ぶように売れ、米国の人気芸能人らも真似をするほど大流行しているという。

 世界中で人気となった理由は、なんといっても韓国ドラマが持つ吸引力、ストーリーそのものの面白さがあるだろう。個人的には、俳優の演技や監督の演出も調和が取れていて、最後まで見ずにはいられなかった。また、ある日突然ゲームに無理やり参加させられるのではなく、社会的弱者の参加者がゲームに参加するしかない状況だったことで、キャラクターがより生き生きとして見えたことも、視聴者を惹きつけた理由だろう。

 そのほか、SNSの口コミや海外メディアを見ると、「子供時代に誰もがやったことのあるゲームだからルールなどの説明が不要で見やすい」、「見ている側もゲームに参加しているような没入感」、「弱そうな参加者が奇策で生き残る姿が痛快」、「美術セットに仕掛けられた細かな隠し設定を見つける楽しさがある」といった声があった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

パリ五輪柔道女子48キロ級金メダリストの角田夏実(時事通信フォト)
《海で腹筋バキバキのビキニ姿が大反響》パリ五輪金メダルの角田夏実にグラビアオファー「柔道着脱いだギャップ」の実現性
NEWSポストセブン
大谷翔平
【大谷翔平“グラウンド外での伝説”】羽生結弦とはLINE友達、パリピ体質で嫌いなタイプは“テンションが低いやつ”、「17番のロッカー」に直筆サインで一騒動 
女性セブン
ろう者女優の忍足亜希子
ろう者の女優・忍足亜希子が語るデビュー25年の集大成「世の中はどれが、誰が優位ということではなく、どの世界も存在していていい」 
女性セブン
反トランプを掲げる女優“エムラタ”が過激衣装で注目を集める(本人のinstagramより)
《極小ビキニで路上へ》「男へのアピールだ」過激衣装で賛否両論の女優エミリー・ラタコウスキーが「フェミニスト」を自称する理由 “反トランプ思想”もファッションで表現、ブランドからは高い注目
NEWSポストセブン
3度目の逮捕となった羽賀研二
《芸能人とヤクザの黒い交際》「沖縄のドン」から追放された羽賀研二容疑者と弘道会幹部の20年の蜜月 「幹部から4億円を借りていた」
NEWSポストセブン
『おしゃれクリップ』(日本テレビ系)
《放送50周年で歴代MC集結》『おしゃれ』シリーズが昭和から令和まで愛され続ける理由 
NEWSポストセブン
寄木細工のイヤリングと髪留めが「佳子さま売れ」に(時事通信フォト)
佳子さまのイヤリングが「おしゃれ!」でまたも注文殺到 訪問先の特産品着用され想起される美智子さまの心配り
NEWSポストセブン
ホームランを放ち50-50を達成した大谷翔平(写真/AP/AFLO)
大谷翔平の“胃袋伝説”「高校時代のノルマは“ご飯どんぶり13杯”」「ラーメン店でラーメン食べず」「WBCでは“ゆでたまご16個”」 
女性セブン
自民党の新総裁選に選出された石破茂氏(Xより)
《石破茂首相が爆誕へ》苦しい下積み時代にアイドルから学んだこと「自分の意見に興味を持ってもらえるきっかけになる」
NEWSポストセブン
若林豪さんにインタビュー
『旅サラダ』卒業の神田正輝が盟友・若林豪に明かしていた「体調」「パートナー女性」「沙也加さんへの想い」《サスペンスドラマ『赤い霊柩車』で共演30年》
NEWSポストセブン
石破茂氏の美人妻(撮影/浅野剛)
《新総裁》石破茂氏が一目惚れした美人妻が語っていた「夫婦のなれ初め」最初のプロポーズは断った
NEWSポストセブン
3年前に出所したばかりだった
《呼び名はチビちゃん》羽賀研二とそろって逮捕された16歳年下元妻の正体、メロメロで交際0日婚「会えていません」の嘘
NEWSポストセブン