女性の場合、結婚や出産、仕事などで環境が変わりやすく、学生時代の友人が疎遠になることも少なくない。大人はどうやって友達をつくればいいのか、どう関係を維持させるのか。“女性の友情”に詳しい専門家に聞いた。
環境の異なる相手との友情は成立しない
「女性の場合、自分を取り巻く環境が違う人とは友人関係を築くのが難しいんです。子供の頃、友達づくりに苦労しなかったのは、同じ地域に住んで同じ学校に通って、同じ経験を積んでいたから。家庭環境に大きな差がなければ、“学校のクラス”という同じ集団の中から、友達を見つけるのは難しくありません」
こう語るのは長年女性の悩みに耳を傾けてきた心理カウンセラーの石原加受子(かずこ)さんだ。
ところが成長に伴い、受験、就職、結婚、出産など、女性の環境は男性以上に大きく変わる。それとともに価値観も変わるため、昔からの友人といえど、話やライフスタイルが合わなくなり、自然と疎遠になってしまうのだ。
「新たに友達をつくろうとしても、多様性のある現代社会で、自分と同じ環境の人など、なかなか見つかりません。ママ友や仕事の同僚はあくまで利害関係の一致でつながっている関係なので、親しくなっても、子供や仕事から離れれば縁も切れてしまいます」(石原さん)
では大人はどうやって友達をつくればいいのか、そして関係を長続きさせるには、どうしたらいいのだろうか。
大人の友情には距離感が大切
「そもそも女性にとって友達とは、自分の話を聞いて共感し、孤独から解放してくれる人のことなんです」
とは、女性の生き方アドバイザーの山脇由貴子さんだ。
友達役を夫や恋人が務めてくれたら、友達にこだわる必要はないが、多くの夫や恋人は、つきあって数年でろくに話も聞いてくれなくなる。
「出かけるのに、ひとりではさびしいし、恥ずかしい。誰かに自分の話を聞いてほしい、そういった思いから、妥協して気の合わない相手や上記のような困った女たちとつきあえば、関係が長続きしないのは明白です」(山脇さん)
しかし、大人の女の友人関係は、こういった妥協で成り立っていることが多いという。
「共通の趣味を持つ人やお稽古事が一緒など、少しでも境遇が一緒の人の中から、お友達を探すのがおすすめです。ただし、家族ぐるみのおつきあいになっても、お互いのプライバシーは守って踏み込みすぎないなど、距離感をはかることも大切」(石原さん)
旅行に行くならA子、食事はB子、芝居や映画ならC美など、友人を目的別に分けるのも、程よい距離感を保つにはおすすめだという。