衆院選での敗北を受けて、11月2日に立憲民主党の枝野幸男代表が辞任の意向を表明した。枝野氏は「新代表の下、来年の参院選や次の総選挙に向かわなければならない」として、新たな党の顔を決める代表選が実施されることになる。ただ、どういった顔ぶれで代表選が争われるのか、懸念の声もあがっている。
今回の衆院選では野党共闘による候補者一本化を進めたが、立憲民主党の獲得議席は公示前の勢力を大きく下回る96議席にとどまり、筆頭格の代表代行である平野博文氏、副代表の辻元清美氏が落選となった。来年の参院選に向けて新たなトップを求める声が出るのは当然だが、同党関係者は表情を曇らせる。
「年内には実施されるという代表選に、どんな候補者の名前が並ぶのか心配だ。現執行部の副代表のメンバーを見ても、長妻昭・元厚労相や原口一博・元総務相ら、民主党政権時代(2009~2012年)の大臣経験者ばかり。新鮮味は全くないし、有権者の間で民主党政権の時のネガティブなイメージが払拭されていない。今回の衆院選で枝野氏が『政権選択選挙だ』と言っても全く支持が広がらなかった一因もそこにあるはずだ」
枝野氏の辞任を受け、後任候補として党内で岡田克也・元外相や玄葉光一郎・元外相を推す声があると報じられたり、馬淵澄夫・元国交相が出馬を検討しているなどと伝えられたりしているが、やはり民主党政権時代の閣僚経験者である。
「政権を担う能力がないと国民に判断された時代の人が出てきても、来年の参院選は戦えないのではないか。野党に転落した後、10年以上もの間に離合集散を繰り返した挙げ句、今なお同じようなメンバーでやっているのかと思われては、党勢の回復は望めない」(同前)
下野した後の代表経験者を見ていくと、民主党では海江田万里・元経産相、岡田氏、民進党となってからは岡田氏、蓮舫・元行政刷新相、前原誠司・元国交相と、民主党時代の大臣経験者が入れ替わり立ち替わり代表を務めてきただけに、“負のイメージ”がずっとついて回ってきた。
今回の代表選に向けて名前が挙がるなかで、民主党政権時代に閣僚を経験していないのは、衆院選で自民党の平井卓也・元デジタル相を破って香川1区で当選を果たした小川淳也氏が立候補の意思を示しているほかは、昨年の代表選で枝野氏と争った泉健太・政調会長くらい。政治ジャーナリストが言う。