クライマックスシリーズのファーストステージが11月6日から始まる。まさかの大失速でリーグ優勝を逃した巨人は「3位からの逆転日本一」を狙う。だが、続投が決まった原辰徳監督は短期決戦に向け、選手への指導に熱を入れる一方で、「全権監督」として来季の新戦力の調査も検討せねばならない。
スポーツ紙巨人番記者は今季の巨人の“戦力不足”を指摘する。
「菅野智之、坂本勇人や丸佳浩ら主力の調子が思うようにあがらず、年齢を考えると来季も全盛期のような活躍を期待できるかどうかはわからない。若手の台頭に期待したいところですが、今季大きく成長したと言えるのは、2桁勝利を挙げた3年目の髙橋優貴と育成出身の松原聖弥ぐらい。
本来なら戦力の一部となるはずだった新選手が、こぞって期待されていたような活躍をできなかったのが痛かった。FAの梶谷隆幸はケガ、井納翔一は実力を発揮できずに2軍生活と、原監督の期待を裏切った。スモーク、テームズ、ハイマネンの新外国人3選手はいずれもシーズン途中で日本を去る始末です。来年のV奪還には、今オフも新戦力を獲得して戦力の底上げが不可欠です」
これから本格化するストーブリーグで、注目を集めるのがFA(フリーエージェント)による選手の移籍だ。今年も実績ある選手がFA権を取得したが、注目を集めるのは今季最多勝を獲得した広島・九里亜蓮だ。先発投手はFA市場でも需要が高いが、なかでも九里は巨人にとって喉から手が出るほど欲しい選手だという。
「九里は今季、自己最多の13勝をマーク。巨人キラーとして知られていて、今季は6試合登板で4勝2敗、防御率2.45と、巨人打線は苦しんだ。九里が巨人に加入してくれるだけで、苦手意識の強い広島に勝ち越しやすくなる。今季、先発投手の中4、5日起用が批判を浴びましたが、九里が加入すればゆとりを持ったローテが作れます。九里は新人時代、“生涯カープ宣言”をしているだけにFA権行使には慎重でしょうが、宣言すれば動かない手はない」(同前)