大阪市立総合医療センターの医師・森川貴さんは、人によってはこれらの果物が病気をもたらす可能性があると指摘する。
「みかんや柿などの果物は腎臓から塩分の排出を促すカリウムを多く含んでいます。このため高血圧を予防する効果があり、一般的には健康のために積極的に摂った方がいいといわれています。
しかし、腎臓の力が2分の1から3分の1以下に落ちている人は別。尿からカリウムが排出されにくくなっていることが多く、血液中にカリウムがたまる高カリウム血症を起こす危険があります。カリウムは野菜にも豊富に含まれていますが、ゆでこぼしをすると減らすことができます。一方、果物はそれが難しいので、缶詰にしたり、食べすぎたりしないように食事指導が必要です」
時間がないときに、手軽に果物や野菜の栄養素をチャージできるジュース類も専門家によればデメリットが多い。
「含有するビタミンなどの摂取のメリットよりも、果糖の過剰摂取によるデメリットの方が大きい。生の果物なら食物繊維も豊富で咀嚼が必要なため、摂りすぎる危険性は低いのですが、ジュースはゴクゴク飲めるため、過剰摂取になりがちです」(内科医の佐々木欧さん)
せっかくの健康志向がアダにならないよう、あえての “ほどほど”を心がけたい。
※女性セブン2021年11月11・18日号