ビジネス

忘年会解禁に意欲満々の上司がヤバい理由 「職場の一体感」の裏に透けるもの

忘年会解禁の動きが広がっている

忘年会解禁の動きが広がっている

 コロナの感染者数が激減し、社員の出社率を徐々に戻す企業も増えてきた。年末には状況を見ながら「忘年会」を解禁しようと計画する組織もあるが、「コロナ禍を機に、職場の上司・部下の関係や年中行事のあり方を見直すべき」と指摘するのは、同志社大学政策学部教授の太田肇氏だ。

 * * *
 新型コロナウィルスの感染者が急激に減少し、緊急事態宣言がようやく解除された。

 巷では、さっそく忘年会や新年会の計画を立てる動きが見られる。山形県鶴岡市のように、飲食店への支援や消費喚起という名目で職員に忘年会・新年会の開催を積極的に呼びかける自治体まで現れてきた。

参加を強いる同調圧力にうんざり

 暗い自粛ムードが少しずつ薄れ、ようやく明るい兆しが差してきたことは喜ばしい。

 ところが年中行事の復活に前のめりの経営者や管理職とは対照的に、若者の間からは、「自粛の圧力が去ったかと思えば、こんどは参加の圧力か」とため息交じりの声が聞かれる。

 マスコミなどは、最近の若者が職場関係のつきあいや宴会文化を嫌うようになったと強調する。しかし意識調査の結果をみると、意外にも会社の忘年会や新年会を楽しみにしている若者が多い。忘年会や新年会そのものを嫌っているわけではないのだ。

 彼らが嫌うのは参加が強制され、そこへ上司・部下というタテの関係が持ち込まれることである。

 拙著『同調圧力の正体』(PHP新書)で指摘したように、日本の会社ではたとえ形式上は自由参加でも、参加しなければ人事評価に響いたり、大事な情報がもらえなかったりといった「ペナルティ」が隠れている場合が多い。それが実質的な強制につながるのだ。

 そのような宴会を若者が嫌うのは、今に始まった話ではない。昔から若者の多くは、内心では気が進まなくても渋々出席していた。私自身も職場の忘年会を途中で抜け出し、同期生の忘年会に出て憂さ晴らしをした記憶がある。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン