11月7日に行なわれた大学三大駅伝の“第2戦”となる全日本大学駅伝は史上稀に見る大激戦となった。優勝争いは最終8区までもつれ、最後は駒澤大が青学大とのデッドヒートをわずか8秒差で制した。来年1月2日、3日の箱根駅伝でも熱戦が期待されるが、全日本には出場できなかった“あの大学”が、前回同様にファンを驚かせる快走を見せるかもしれない──。
全日本大学駅伝では、6区終了時点で今年の出雲駅伝を制した東京国際大がトップ。3区のイェゴン・ヴィンセント(3年)、6区の丹所健(3年)が区間新の快走を見せ、7区にタスキが渡った時点で駒澤大、青学大に1分30秒以上の大差をつけていた。7区ではそれを駒澤大の田澤廉(3年)、青学大の近藤幸太郎(3年)という両校のエース2人が逆転。
最終8区では青学大の主将・飯田貴之(4年)との争いを制した駒澤大のアンカー・花尾恭輔(2年)が先頭でゴールテープを切った。各区間の終了時点の首位を見ても、駒澤大→順天堂大→東京国際大→東京国際大→早稲田大→東京国際大→駒澤大→駒澤大と、目まぐるしくトップが入れ替わる展開となった。まさに、本命不在の“戦国駅伝”である。
ただ、白熱した争いの中に、今年1月の箱根駅伝で多くのファンを驚かせる大番狂わせを演じてみせた「創価大」の姿はなかった。前回の箱根路で創価大は往路優勝を果たし、復路も最終10区の20km過ぎで駒澤大に逆転を許すまでトップを走り続け、大学史上最高順位となる総合2位でフィニッシュした。駒澤大や青学大、東海大などによる優勝争いが有力視されていただけに、一時は独走態勢を築いた“ダークホース”の登場は多くのファンに衝撃を与えた。
その創価大だが、今年の全日本大学駅伝の選考会では14位に終わり、伊勢路を走ることはできなかった。今回のチームは、前回に比べて力が劣るのか。スポーツ紙デスクが語る。
「そんなことはありません。前回1区を任されたエース格の福田悠一らは卒業しましたが、準優勝したメンバー10人のうち7人が残っており、今回も箱根で上位進出する力は十分にある。初出場となった今年10月の出雲駅伝でも7位に入り、展開次第では箱根路でも優勝候補の一角になり得る」