古くからドラマや映画など多くの作品に登場してきた忍者。今ではジャニーズアイドルが忍者を演じる舞台も話題を呼んでいる。忍者作品の魅力はどこにあるのか? コラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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今年は8月に『影の軍団』シリーズなどで斬新な忍者アクションを見せた俳優・千葉真一さん、10月に『サスケ』『カムイ伝』などで人気を博した漫画家・白戸三平さん、忍者作品を変えたといわれるふたりのレジェンドが世を去った。
その作品は海外でも高く評価され、多くのクリエイターを刺激してきた。アクション、人間ドラマ、歴史、様々な角度で取り上げられる忍者作品は、今後、どうなっていくのか。
新橋演舞場で上演中のTravis Japan『虎者 NINJAPAN 2021』。2019年にスタートして今年三年目となるこの作品は、忍者をモチーフとした新たな和のエンターテインメントということで、さっそく出かけてみた。
率直に感じたのは、アイドルグループと忍者作品の相性はいいということだ。物語の舞台は、大悪党とその部下である影虎という武芸者の手によって、闇に包まれた世界。指導者・朱雀によって育てられた戦士・虎者(Travis Japanのメンバー)が、平和を取り戻すために大悪党たちと闘う。ほとんど外の世界を知らない虎者たちには、さっそく危機が訪れる。命も危うい状態で、彼らはどう戦うのか…。
未熟な若者たちが大きな壁に突き当たり、必死に助け合う。応援したくなる設定の中、見えてくる忍びの絆。それはそのままグルーブの支え合いに重なる。そして危ない!!という瞬間、キャーキャーと声は出せないものの、ファンにはたまらない場面になるというものだ。さらに、忍者アイテムとして欠かせない「鉢巻き」も気になった。「鉢巻き忍者」は、なかなかにいいものなのですな。
忍者作品で常に問われるのは、忍者の技や術をどこまでリアルにするかという点だ。剣術と違って、忍者の技は自由度が高い。というか、なんでもアリ。映像の忍者作品は、リアルさにこだわらない、荒唐無稽な面白さを追及ことが多い。