牝馬中距離路線の女王決定戦には明らかな傾向がある。競馬ライターの東田和美氏が考察した。
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エリザベス女王杯が古馬に開放されてからメジロドーベル、アドマイヤグルーヴ、スノーフェアリー、そして昨年のラッキーライラックと4頭が連覇を果たしているが、このレース、他のデータを見ても「2年(あるいはそれ以上)連続」がやけに目に付く。
人気の中心になりそうなアカイトリノムスメの母アパパネは3歳牝馬3冠だけでなく2歳GⅠやヴィクトリアマイルも勝っているが、このレースでは2010年、2011年と連続3着。他にも2冠馬ミッキークイーンが連続3着、オークス馬ではヌーヴォレコルトが連続2着、先日ブリーダーズカップフィリー&メアターフまで勝ったラヴズオンリーユーも連続3着。2強、3強時代でのことならよくあるかもしれないが、勝ち馬が違うケースもある。東京の2400mで勝った名牝が京都ではもう一つ弾けなかった。
GⅠ馬以外ではクロコスミアは2017年から異なる鞍上で異なる勝ち馬の3年連続2着。遡ってみればフサイチエアデールとオースミハルカは異なる勝ち馬での連続2着。クロコスミアとオースミハルカは他のG1での2着はない。
前走天皇賞(秋)を使った馬が勝ったのは2頭だけなのだが、これが2004年アドマイヤグルーヴと2005年スイープトウショウ。オールカマーを使って勝ったのも2頭だけで2014年ラキシスと2015年マリアライト。3着までに入った日本馬72頭のうち条件戦を使っていたのはわずかに2頭だけだが、それが2012年3着のピクシープリンセスと2013年2着のラキシス。
ジョッキーでは武豊が2001年から3頭で4連覇していながら、これ以外は勝っていない。それどころか古馬に開放されてからは2着、3着すらない。2016、2017年はM・デムーロが異なる馬で連覇。また河内、横山典は異なる馬で連続2着、M・デムーロは2018年から2頭で3年連続3着。そして昨年まで外国人騎手が5連勝中だ。
種牡馬では2007年と2008年にアグネスタキオンが、2014年と2015年にはディープインパクトが異なる馬で連覇。2頭ともリーディング種牡馬なので当然かもしれないが、これ以外の年には勝っていないのだ。大種牡馬サンデーサイレンスは前記フサイチエアデールの連続2着の後、異なる馬で3年連続2着、計5年連続2着になっている。2004年からサンデー産駒が3連続、2013、2014年にキングカメハメハが2年連続、それぞれ異なる馬で3着になっている。