橋本環奈と上白石萌音がWキャストで千尋役を務める舞台『千と千尋の神隠し』が3月から東京・帝国劇場にて上演される。宮崎駿監督の国民的人気アニメ映画の実写版、それも主演の2人がどちらも超人気女優とあって、ファンの間では「どちらの舞台を観に行くべきか」で意見が二分しているという。しかし、年間30公演以上は観劇するという舞台ファンの30代女性は「上白石萌音さん一択です」と語る。その根拠はどこにあるのか。
ポイントになってくるのが舞台の要である「演出家」だ。今回、演出を務めるのが英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー名誉アソシエイト・ディレクターのジョン・ケアード氏である点が大きいという。
「英国人のジョン・ケアード氏は演劇界の大物ですが、萌音さんとは2018年に堂本光一さん主演の舞台『ナイツ・テイル―騎士物語―』で一緒に仕事をしています。東京・大阪で計78回もの公演をともにした経験は非常に大きいでしょう。『ナイツ・テイル』は非常に素晴らしい舞台でしたから、今回も楽しみにしています。かたや橋本環奈さんはドラマや映画に引っ張りだこの人気女優さんですが、舞台は今回が初挑戦です。もちろん素晴らしい演技を見せる可能性は大いにありますが、映像作品と舞台は“別モノ”。どちらかしか観られないのであれば、それが分かっている萌音さんの演技が観たいですね」(30代女性)
そして舞台通が注目しているのが、ケアード氏が舞台『レ・ミゼラブル』など歌唱シーンを前面に押し出したミュージカルの演出を数多く手掛けてきた点だ。
「萌音さんは歌手として活動するほど歌が上手い。『千と千尋の神隠し』で歌唱シーンやミュージカル調のセリフがあるかどうかは分かりませんが、『もしかしたら歌うかも』という期待感も舞台ファンのなかでは“萌音推し”になる理由の1つです」(30代女性)
さらに演出家が外国人のためコミュニケーションの面でも言語の壁が生じる。だが、上白石の場合はその心配もない。
「小学生時代にメキシコに住んでいた経験のある萌音さんは語学が堪能なことで知られています。『ナイツ・テイル』の頃のインタビューで、ケアードさんに会うといつも『Oh, My Little Girl!』って言って抱きしめてくれてくれると話されていたので言語の壁は存在しないのでしょう」(30代女性)
英語劇の演技指導の経験もある京都外国語大学教授のジェフ・バーグランド氏もその英語力や表現力に太鼓判を押す。