北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督誕生で、日本中が熱狂している。“ビッグボス”のパフォーマンスと指導力に期待と注目が集まっているのはもちろん、49歳の球界のスター監督は、コロナ禍以降インバウンド消失などで元気がない北海道の救世主となるのか──。ジャーナリストの山田稔氏がレポートする。
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11月4日の監督就任会見から1週間以上経ったが、この間、メディアは連日「ビッグボス新庄」の言動を報じ続けてきた。SNS上も含め、新庄語録のオンパレードだ。
「優勝なんか一切目指しません」「監督って皆さん呼ばないでください。ビッグボスでお願いします」「世界一の球団、世界一のチームにしたいです」
新庄節は、瞬く間にSNS上を駆け巡り、ファイターズファンのみならず、多くの国民のハートを掴んだ。
新庄の評価を上げた「デキる上司」の一面
沖縄で行われていた秋季キャンプには、ド派手なファッションで登場し、伸び悩む清宮にはダイエットを指示した。
「やせたら打球が飛ばなくなるのが怖い」と打ち明けた清宮に、「今もそんなに飛んでないよ」とピシャリ。続いて「(本塁打を量産していた)昔のほうがもっと飛んでいた。昔のほうがスリムじゃなかった? それはキレがあったから。今はちょっとキレがない気がするから、やせてみよう」「やせたほうがモテるよ。格好いいよ」とアドバイスした。
頭ごなしに「やせろ」と言うのではなく、「やせたほうがキレがある」と理論で説得し、「やせた方がモテる」という軟派なひと言で、悩める若者の心をくすぐる。デキる上司の一面をうかがわせるシーンだった。
キャンプ2日目までは視察、指導終了後にメディアの取材に応じていたビッグボスだったが、3日目(11月10日)は「終わってからのトークはないから」と話し、その理由に「クライマックスがあるから」と明かした。この日から始まるセ・パ両リーグのクライマックスシリーズに配慮したのだ。この姿勢がまたネット上で「配慮のある大人の対応」として、一段と評価を上げている。