韓国では18~28才の健康な男性は約20か月間の兵役に就く義務があるが、国家経済を牽引する立場となったBTSについて、兵役の特例措置も論じられている。
2020年12月には、最年長のJINが満28才になることを受け、文化体育観光省の推薦したポップアーティストの兵役開始を30才まで延期できる、通称「BTS法」と呼ばれる法案が国会で可決された。
「アーミーや国民の中には、兵役を免除してほしいと望む声もあれば、特別扱いすることが彼らにとって負担になると心配する声もある。また、彼ら以外にもグローバルな影響力を持つアーティストが増えていることを考えると、より広い視野で社会的合意を得ることが大事でしょう。そのためにも、BTSだけの問題というより、大衆文化界全体の問題として扱う必要があると思います」(金さん)
JINは来年30才になる。政治的側面でも、BTSがますます注目を集めることは間違いない。
誰も予測できないほどビッグな存在へと成長を続ける彼らには、この先、どんな展開が予想されるだろうか。
「コロナ禍で世界の音楽産業がダメージを受ける一方、彼らの存在感がこれだけ目立っているのは、以前からプラットフォームを築きながらファンとコミュニケーションを重ね、積み上げてきた経験と信頼があるから。世界をよりよいものに変えていこうとするBTSとファンの人たちの強い意志があるかぎり、その音楽的、社会的影響力は拡大し続けるはず」(金さん)
この言葉に呼応するかのように、タレントのYOU(57才)はラジオの中で、「BTSの笑顔を見ると、少しでもきれいな心で人に接しようって、すごく優しくなった」と語っている。
ダンサーのARATAさんは、エンターテインメントで世界をひとつにしてほしいと話す。
「BTSには、いつか国際宇宙ステーションでパフォーマンスしてほしい。地球を眺めながら、『ぼくらはひとつだ』と、ダンスで平和をもたらしてほしい。そういう象徴であり続けてほしいです」
コロナ禍という困難に陥った世界で、アーミーに限らず、BTSの存在は多くの人を励ました。まだ彼らの魅力に気づいていないなら、むしろラッキーだ。この先、ダイナマイトのような爆発力で、人生に新たな輝きが訪れるかもしれない。
※女性セブン2021年11月25日号