今、演歌界で新たなブームが起こっている。歌唱力抜群のイケメン歌手が続々と登場しているのだ。ブームの最先端をコラムニストで放送作家の山田美保子さんが解説する。
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この1~2年、歌謡界で話題を呼んでいる「演歌第7世代」を御存知だろうか。あの「純烈」のブレイクで始まった「演歌男子」も引き続きブームと言えるが、「演歌第7世代」にはイケメンの実力派ソロ歌手が集まっている。真田ナオキ、辰巳ゆうと、青山新(あおやま・しん)、望月琉叶(もちづき・るか)、彩青(りゅうせい)、二見颯一(ふたみ・そういち)、新浜レオン(にいはま・れおん)〈順不同〉ら、演歌歌謡系の若手歌手のことを、レコード会社や所属事務所が、その垣根を越えて業界全体で盛り上げようとしているところだ。
たとえば11月27日には『日経ホール』にて行われる、「我ら演歌第7世代!スペシャルコンサート」には、辰巳、二見、新浜、彩青、青山がステージに並ぶ。
全員、甘いマスクと歌声が魅力的で、21年前、彗星のごとく現れた「演歌界のプリンス」氷川きよしを彷彿とさせる。氷川同様、彼らを支えているのは圧倒的に年齢を重ねた女性ファンたちである。
氷川が長年、『演歌名曲コレクション』なるシリーズアルバムで。文字通り演歌の名曲をカバーし、コンサートでも大先輩たちに敬意を払いつつ大切に歌ってきたように、「演歌第7世代」も、往年の演歌や歌謡曲の名曲をカバーして話題を呼んでいるところだ。
幼少期から新御三家の曲に触れてきた
なかでも新浜レオンは、新御三家、郷ひろみ、野口五郎、そして西城秀樹さんの大ヒット曲を次々カバーし、彼らのファンから御礼の言葉が届くほど。その歌唱力や盛り上げ方が、新御三家ファンの想いを裏切らないからだろう。
それにしても、いくら昭和歌謡がブームだとはいえ、まだ25歳の新浜レオンが、なぜここまで新御三家に精通しているのか。その理由は父親が2代目『伯方の塩』のCMソングでも知られる演歌歌手の高城靖雄だからだ。
高城がコンサートやディナーショーで新御三家の曲をカバーしているのを幼少期から見ていた新浜が選んだのは、郷ひろみの曲では、『お嫁サンバ』『2億4千万の瞳』『よろしく哀愁』『セクシー・ユー』。西城秀樹さんの曲では、『情熱の嵐』『ギャランドゥ』『ブルースカイブルー』『傷だらけのローラ』。リアルタイムで聴いていらした方なら歓声をあげてしまうような名曲ばかりである。
そして野口五郎とは、『うたこん』(NHK)で『私鉄沿線』をデュエットし、新浜曰く「こちらはもう、夢のようなひとときだったし、感謝しかなかったんですけれど、野口五郎さんは僕が『私鉄沿線』をカバーしているYouTubeまで見ていてくださっていて、『歌ってくれて、ありがとう』とまで言ってくださったんです」と。その後、他番組ではデビュー曲『離さない 離さない』を野口の前で披露する機会も得て、「カメラが回っていない場所で、とても褒めていただくことができました」(新浜)という。