「ここ2年ほど見かけないですね」。長年住んでいた東京・神楽坂の近隣住民は口を揃えてこう答える。強烈なインパクトをテレビ界に残し、そして忽然と姿を消した細木数子さん。細木さんの終活は、どれだけの財産を築いても得られなかった家族の絆と向き合う時間だったのかもしれない。
和田アキ子(71才)、木梨憲武(59才)、上沼恵美子(66才)、ヒロミ(56才)……芸能界の重鎮からの供花が、在りし日の人脈の広さを物語っていた。11月14日、細木数子さんのお別れ会が催された。享年83。
ほかには、1000万円の化粧まわしを贈られて話題になった元横綱・朝青龍(41才)からの花も。朝青龍本人いわく、細木さんは“日本の母親”だ。お笑い芸人の、くりぃむしちゅーとネプチューンは、全員が個人名義で花を出していた。
「特に有田哲平さん(50才)と堀内健さん(51才)は自宅に何度も招かれては、高級ブランド品をプレゼントされていました。高い調度品で溢れた家ではしゃぐ2人を、笑いながら『こら!』とたしなめる様子は、さながら母親のようでしたね」(芸能関係者)
中国の易学をもとに考案した『六星占術』でブレークし、著作は累計1億部を超える大ヒット。2000年代前半にはテレビ番組で「地獄に落ちるわよ」「あんた死ぬわよ」などの毒舌を吐き、“視聴率女王”と呼ばれるほどの人気者だった。
「細木さんは、『テレビのギャラが吉永小百合さんより高い』と豪語していました。実際に『ズバリ言うわよ!』(TBS系)などのレギュラー番組を持っていたときには、出演料だけで毎月、億単位の収入があったといわれています」(別の芸能関係者)
確かに細木さんは、過去、本誌・女性セブンの取材に対して「1時間番組の出演料は600万円、特番の場合は1200万円」と明かしていた。テレビ出演料だけで“月収1億円以上”は嘘ではなさそうだ。これに書籍の印税や携帯サイト、講演活動での収入を加えると“月収10億円”は超えていただろう。しかし、細木さんはその収入の一部を自ら手放す選択をする。2008年のことだ。
「ブームが一段落し、レギュラー番組がすべて終了したのを機に、テレビの世界から姿を消し、その後は出版や講演活動に軸足を置くようになりました。なので、晩年の細木さんを知る人は驚くほど少ないです」(テレビ局関係者)
占術家としてだけでなく実業家の顔もあった。
「東京・神楽坂の一等地に4階建てのビルを持ち、京都には5000坪を超える広大な土地に寺院を建立し、“70億円寺院”といわれたこともありました。このほかにも東京と京都に複数の不動産を所有しています」(細木家をよく知る人物)