男性が50代や60代を迎えると体力も低下し、下半身の“持続力”にも影響が出る。持続力キープのために、日常生活で気軽にできる対策がある。ベテラン男優の田淵正浩氏が提唱するのは「鼻呼吸」だ。
「行為中も鼻呼吸を習慣づけるようにしたんです。鼻からゆっくりと呼吸することで持続力が格段に上がりました。リズムが乱れることなく体全体のスタミナも持続します」(田淵氏)
鼻呼吸が効果を発揮するメカニズムを「くぼたクリニック松戸五香」の窪田徹矢院長はこう分析する。
「取り込んだ冷たい外気は鼻腔で加湿され、体温近くまで温まって肺に落とし込まれます。その際、脳の熱が下がって体が温まることで疲れにくい体になり、男性機能の向上につながる」
日常生活の「姿勢」もED改善につながるという。田淵氏が説明する。
「ポイントは体の負担を減らすことです。普段から体に負担がかかっていると疲労がたまりやすくなります。
立っている時に重心が右か左に偏っていると、腰に負担がかかって疲れやすくなります。肩幅くらいに足を広げて、両足に重心を分散させて立つ“ゼロポジション”を覚えることが大切です。歩く時も膝からではなく、骨盤から足を前に出すようなイメージで、スッと立ってまっすぐ歩くと疲労を防げます」
その際に重要なのは、「骨盤のイメージ」だ。
「筋肉に頼らず、『骨で動く』ことを意識しましょう。一部分の筋肉を使おうとするとどうしても疲れが出ますが、骨で動くことを覚えれば、長時間動作しても疲れません。この原理を応用すると、行為中は両膝を付けて重心を分散して、骨盤を動かすイメージで動く。すると体の負担が一気に減ります」(田淵氏)
普段の生活において、股間を圧迫しないことにも気をつけたい。窪田医師が説明する。
「デスクワークなどで長時間座ったままだと、陰部周りの神経や血管を傷つけてしまい、機能が低下する恐れがあります。最近はリモートワークが増えていますが、座りっぱなしの時には席を立って屈伸運動などをして、股間を”解放”することが必要です」
※週刊ポスト2021年12月3日号