芸能

船越英一郎作品も テレ東の仕掛け人が語る「2時間ドラマ」の秘密

長年続く戸津川警部シリーズで、いま主演を務めるのは船越英一郎

これまで人並み外れた記憶力と推理力で難事件を解決してきた十津川警部(右、船越英一郎・61才)は、多摩川の河川敷で起きた殺人事件に疑問を抱く。部下の亀井(角野卓造・73才)と真相に迫るが事態は意外な展開を見せて…。11月22日放送。(C)テレビ東京

 土曜ワイド劇場『家政婦は見た!』の最高視聴率は30.9%──かつて一世を風靡した2時間ドラマだが、昨今は減少傾向にある。高コストや予算減、若い世代の視聴率低迷などの理由で各局が撤退を余儀なくされるなか、あえて『月曜プレミア8』を新設し、面目躍如を果たしているのがテレビ東京だ。11月22日には新作『西村京太郎サスペンス 十津川警部の事件簿「悪夢」』が放映される。そこで同社プロデューサー陣に、いまなぜ2時間ドラマなのか聞いた。

2時間ドラマの先駆けは土曜ワイド劇場

──全盛期は週8本放送されていたという2時間ドラマも、2005年には『火曜サスペンス劇場』、2019年には『土曜ワイド劇場』……と専用枠の廃止が進み、2019年3月には完全に消滅しました。そんななか、2020年4月にテレビ東京では『月曜プレミア8』という2時間枠を新設(厳密には、月曜プレミア8は単発のミステリードラマやバラエティー特番を放送)。なぜ各局が撤退するなか、2時間ドラマの制作に踏み切ったのでしょう?

制作局ドラマ室長・浅野太さん(以下、敬称略): 一言でいうと、明確な需要を感じたからです。ほかがやらないならうちがやる、と。

『月曜プレミア8』チーフプロデューサー・中川順平さん(以下、敬称略): 2時間ドラマの再放送をするとゴールデンタイムより視聴率がいいときもあるんです。

──ではなぜみんな手を引いてしまったんでしょうか。要因は?

制作局ドラマ室プロデューサー・濱谷晃一さん(以下、敬称略):他局のことはわかりませんが、配信ドラマやYouTubeなどの台頭で視聴者が分散するなか、2時間ドラマに一定数のニーズは実感しているけど、できるだけ幅広い視聴者層に見てもらいたいという意向とのバランスだと思います。中高年向けに成立していればOKとはいかない。

中川:ファンのかたの声にこたえつつ、新たなファンを獲得していく両建てでやっていかないといけない時代です。

──2時間ドラマというと良質なサスペンスというイメージが強いですが、そもそも2時間ドラマはどのように生まれたのでしょうか?

浅野:1977年にテレビ朝日さんがアメリカのテレフィーチャー(テレビ用長時間映画)を手本に『土曜ワイド劇場』という90分のドラマ枠を作ったのが最初だと思います。当時は東映・東宝・松竹・日活・大映という5つの映画会社が毎週新作を公開していた時代。テレビが台頭してきたため、ブラウン管でも気軽に見られる映画を作ろうじゃないかということで生まれました。なので、制作スタッフは映画畑の人たち。2時間ドラマは16ミリフィルムで撮るのがスタンダードで、制作日数は1か月にも及んだと聞いています。

濱谷:いまでは考えられないスケール感ですね。ちなみに、最近は平均11日間です。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン