横浜DeNAベイスターズは長年の課題を克服できるか──。今季まで巨人に在籍した相川亮二コーチがバッテリー担当として古巣に帰ってきた。1994年のドラフト5位で東京学館高校から横浜ベイスターズに入団した相川は5年目にプロ初出場を果たし、10年目に初めて100試合出場を達成。横浜では谷繁元信以来となる待望の生え抜きレギュラー捕手としてチームを支えていたが、2008年オフにFAでヤクルトへ移籍した。
それ以降、ベイスターズは正捕手に悩まされてきた。相川が離れてから横浜で年間100試合以上にスタメン出場した捕手は戸柱恭孝(2016年110試合)のみ。レギュラーを固定できていない。かといって、捕手の併用がうまく機能しているとも言い難い。プロ野球担当記者が話す。
「今季の最多スタメン捕手は伊藤光の47試合。正直、抜きん出た選手がいないので、取っ替え引っ替えしている印象です。DeNAと広島を除くセ・リーグの4球団は1人の捕手が95試合以上先発しており、広島はリーグ打率2位と“打てる捕手”の坂倉将吾を一塁と兼用させながら、3連覇も経験したベテランの會澤翼と併用したので、DeNAとは事情が異なります」(以下同)
今季のDeNAでは伊藤の47試合に次いで、戸柱恭孝39試合、山本祐大33試合、嶺井博希22試合、高城俊人、益子京右1試合ずつと6人もの選手が一軍で先発している。
「見方を変えれば、どの捕手もある程度の経験は積んでいる。そこに相川コーチがどんなスパイスをかけ、成長を促すか見ものです。今季までDeNAは現役時代の実績が少ないバッテリーコーチと長年にわたって契約してきた。捕手の伸び悩みの一因でもあったかもしれません。逆に言えば、指導者次第で大きく伸びる可能性を秘めている。
相川コーチは3球団で現役生活を23年も続け、アテネ五輪やWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)という国際舞台も経験した。現役時代は優勝と縁がありませんでしたが、指導者として巨人の連覇に貢献した。リードの引き出しを豊富に持っている相川コーチの加入で、DeNA捕手陣の潜在能力が引き出されることも期待されます」