ED対策には、エクササイズで筋力や体の状態を改善するのが有効だとされているが、食事を変えることもまた症状改善につながる。
不調を治すことと食べることは根源を同じくする。この「医食同源」は、ED治療にも当てはまる。プライベートケアクリニック東京・東京院の小堀善友院長が語る。
「EDは高血圧や糖尿病、高脂血症など、食生活に起因する部分も大きい。日々の食事がED解消のカギになります」
バランスの取れた食生活を維持した上で、EDを治すために積極的に摂取したい栄養素の代表格が「亜鉛」だ。新宿マイシティクリニックの平澤精一院長が指摘する。
「数多くの栄養素の中で、不足しがちなのが亜鉛です。牡蠣やレバー・青魚などに多く含まれる亜鉛は細胞の新生を活発にする成分で、精子をつくるためにも必要。成人男性の1日の摂取基準は10~11mgとされるので、意識して亜鉛を摂取してほしい」
数年前までEDに悩んでいたという58歳の自営業・Cさんはこう語る。
「50代に突入した頃、女性を見ても全く元気がわかない時期がありました。その後医師に相談し、毎日の食事でしらす干しや豚レバーなどから積極的に亜鉛をとるようにしたら、日常ふとした時に”あ、あの子かわいい”と思えるようになったんです。同時に勃起力も戻り、継続して食生活を改善してよかった」
陰茎の血管は非常に細く、動脈硬化による影響も大きい。陰茎の血流を良くするために積極的に摂りたい栄養素もある。平澤医師が語る。
「血流を良くするアリシンを豊富に含むニンニクやタマネギ、血栓を溶かすナットウキナーゼを含む納豆など、”血液サラサラ系”がおすすめです。オクラやモロヘイヤなどの”ネバネバ系”も栄養価が高く、疲労を回復できるので積極的に摂取したい」
御年74歳にして、現役男優である山田裕司氏も「日常生活の栄養補給が私の元気の源です」と笑顔で語る。
「60代までバイアグラを飲んでいましたが、70歳を境に無理のない体力づくりと食事に気を遣うことが現役続行に最も大切だと気づきました。今は肉も魚も偏りなく食べることを心掛けるとともに、勃起に重要な血流を良くするタマネギを毎食必ず口にして、納豆やオクラ、山芋なども1日に1食は摂取しています。
おかげでこの年になっても現場で監督から、『山田さん、どんどん元気になっているね』と声をかけられます」