SKE48の須田亜香里(30才)が自身初となるソロライブを開催した。注目を集めたのは、エレキギターやアコースティックギターによる弾き語り。ライブを観賞した放送作家・コラムニストの山田美保子さんが“ギタ女”須田亜香里について綴る。
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22日夜、SKE48の須田亜香里によるソロライブ『Akari Suda sing with the guitar~花車と六弦琴~』(渋谷・duo MUSIC EXCHANGE)を観に行く機会に恵まれた。
タイトルやコンサートロゴでもわかるように、須田がギター片手に、いわゆる“ギタ女”となって歌うライブだ。
ギターを始めたのは今年3月。きっかけは、FM AICHIで毎週月曜に放送されている『須田亜香里の部屋』の放送100回を記念して、番組ゲストに度々登場していた男女ツインボーカル編成のバンド「EARNIE FROGs」のテラオからメンバーのサイン入りギターをプレゼントされたことだ。
ギターの弾き語りにピッタリな歌声
その日の夜から練習をはじめ、「12年ぶりに趣味ができた」(ちなみに12年前の趣味はゲーム)とギターにハマった須田。練習の成果の場所として配信付きのソロライブを選んだのである。
1曲目は、11年前、3期生としてチームS公演「制服の芽」に参加した際、上手(かみて)最後列で歌い、踊った想い出の曲『恋を語る詩人になれなくて』。ちなみに今回のライブ会場は、そのときの会場と同じなのである。須田は10月31日に30歳の誕生日を迎え、11月14日は、デビュー12周年だった。彼女も、ファンの皆さんも、さまざまな景色を思い出してしまうからなのか、須田は度々涙声になり、ファンの多くも、もらい泣きをしていた。
そんな空気の中、彼女の歌声を聴いて私は驚いた。日頃から「歌は苦手」と言っている須田だが、ギターの弾き語りにピッタリな歌声ではないか。涼やかで軽やかで爽やか。しかも、歌詞の全てが観客の耳に正確に届く。
歌い手にとって、これは本当に大事なことで、私はいつも、島袋寛子(元SPEED)の歌唱時の滑舌の良さに聴き惚れるのだが、決して大袈裟ではなく、その島袋と重ね合わせたほどだった。大切な曲を、久しぶりに直接顔を合わせるファン一人一人に絶対に伝えるのだという須田の強い意気込みがそうさせていたのかもしれない。
初めて秋元康氏が須田のために書いたソロ曲『今の私じゃダメなんだ』や、初センター曲の『ソーユートコあるよね?』、さらにSKE48のオーディションで歌ったという大塚愛の『さくらんぼ』などなど、どれも味わい深く仕上がっていた。