ビジネス

緊急事態宣言下の闇営業で繁盛した飲食店が「客離れ」に直面している

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が全面解除となった2021年10月1日の羽田空港第2ターミナル(時事通信フォト)

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が全面解除となった2021年10月1日の羽田空港第2ターミナル(時事通信フォト)

 法律や契約にのっとらずに行われている営業が「闇営業」と呼ばれるのが本来なのだが、最近では、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために自粛を求められている営業行為をあえて実行している店舗に対して用いられていた。もちろん、この意味での闇営業は違法ではないので、緊急事態宣言下では大繁盛していた。ところが、世の中が通常どおりに戻り始めると、少し様子が変わってきたらしい。ライターの森鷹久氏が、営業自粛要請がなくなったら客離れがすすんだと嘆くかつての闇営業飲食店についてレポートする。

 * * *
 新型コロナウイルスの新規感染者数が減少し、繁華街には人出が戻っている。多くの店では消毒や換気を実施し、そしてソーシャルディスタンスの呼びかけを行なっていて、まさに「ウィズコロナ」時代を生きていることを実感させる。様々な手間は増えたが、少しずつではあるけれど客が戻ってきたと、どこの店で働く人も笑顔を見せるなか、なぜか今になって「客足が減った」と嘆いている飲食店がある。

「11月になって規制が緩和され、周囲の店にはそれなりに人出が戻りましたが、うちは戻るどころか減りました。数ヶ月前は一人勝ちの状態だったんですけどね」

 東京のオフィス街に近い繁華街で居酒屋を営む鹿島恵一さん(仮名・40代)は、緊急事態宣言下でも営業自粛要請を無視し、通常通りの営業を続けていた。酒類の提供をやめず、深夜まで同じように営業を続けていた店は近隣にも2店ほどあったためか、酒が飲める貴重な店だと遠方から来る客もいて、大いに賑わっていた。

「うちが営業を続けるから、周りの店も酒を出し始めたりしてね。人が来るから、周りの店も潤う。キャバクラのキャッチの兄ちゃん、呼び込みの姉ちゃんまでウロウロして、本当に賑やかだったんですよ」(鹿島さん)

 ところが、緊急事態宣言が明け、飲食店に出ていた様々な要請が解除されると、それまであった客足がパタリと止んだ。鹿島さんは首を傾げるばかりだが、近くの居酒屋店主は「そりゃそうでしょう」と吐き捨てる。

「決まりを破ってやっていた店、という印象は、我々みたいな同業者だけでなく、客も感じているということですよ。あの時は、やってる店がそこしかなかったというだけでね。まともにやっていた店には、ちゃんと常連が戻っている」(近くの居酒屋店主)

関連記事

トピックス

ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さんが刺傷され亡くなった。送検される高野健一容疑者(左・時事通信フォト)(右が佐藤さん、Xより)
〈シンママとして経済的に困窮か〉女性ライバー “最上あい”さん(22)、高野容疑者(42)と出会った頃の「生活事情」 供述した“借金251万円”の裁判資料で判明した「2人の関係」【高田馬場・刺殺事件】
NEWSポストセブン
米津玄師の新曲MVに出演した羽生結弦(米津玄師の公式スタッフのXより)
羽生結弦、米津玄師との“奇跡のコラボ”で見せた4回転ルッツ 着地失敗で封印したジャンプが仙台で復活、より強くなる“災害に対して祈りと希望を届けたい”という気持ち
女性セブン
角田信朗が再婚していた
格闘家・角田信朗が再婚していた!「本当の意味でのパートナーに出会えた」「入籍はケジメです」お相手は23歳年下の“女将さん”
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSにはさmざまな写真が公開されている
「死者のことを真摯に思って反省しているとはいいがたい」田村瑠奈被告の父に“猶予つき判決”も、札幌地裁は証拠隠滅の可能性を指摘【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・最上あいさんが刺傷され亡くなった(左・Xより)
〈オレも愛里なしじゃ生きていけない〉高田馬場刺殺事件・人気ライバー“最上あい”さん(22)と高野健一容疑者の“親密LINE”《裁判資料にあったスクリーンショット》
NEWSポストセブン
体調不良を理由に休養することになったダウンタウンの浜田雅功
《働きづめだった浜田雅功》限界だと見かねた周囲からの“強制”で休養決断か「松本人志が活動再開したときに、フル回転で働きたいからこそ」いましかないタイミング
女性セブン
いまだ精神鑑定が続く、瑠奈被告
《すすきの頭部切断事件》現場のホテルが格安で売りに出されていた 肝試し感覚で利用者増加、当該の部屋には「報道にあったお部屋です」の説明文
女性セブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・最上あいさんが刺傷され亡くなった(左・Xより)
《生々しい裁判記録》「3万円返済後に連絡が取れなくなった」女性ライバー“最上あい”さん(22)と高野健一容疑者の出会いから金銭トラブルまでの全真相【高田馬場刺殺事件】
NEWSポストセブン
渡米した小室圭氏(右)と眞子さん(写真/共同通信社)
「さすがにゆったりすぎる…」眞子さんが小室圭さんとの買い物で着ていたロングコートは5万6000円の北欧の高級ブランド「通販で間違えて買った」可能性
NEWSポストセブン
2023年12月に亡くなった八代亜紀さん
《没後1年のトラブル勃発》八代亜紀さん、“私的写真”が許可なく流出する危機 追悼CDの特典として頒布予告、手がけるレコード会社を直撃
女性セブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・最上あいさんが刺傷され亡くなった(左・知人提供)
「顔中血まみれ、白目で、あまりに酷くて…」女性ライバー“最上あい”さん(22)の“事件動画”の目撃証言と“金銭トラブル”の判決記録【東京・高田馬場で刺殺事件】
NEWSポストセブン
おもてなし計画を立てる大谷翔平(写真/アフロ)
【メジャー開幕戦】大谷翔平、日本凱旋でチームメートをおもてなし計画 選手の家族も参加する“チームディナー”に懇意にしているシェフを招へいか、おすすめスポットのアドバイスも
女性セブン