ダウンタウン・浜田雅功が出演していた大手デリバリーサイト「出前館」CMが代替わりしたことで、ネット上には「浜ちゃん降板」を嘆く声が散見される。「出前館」CMのイメージキャラクターが交代したのは今年11月。2020年7月から出演してきた浜田に代わり、人気 YouTuber の「HIKAKIN(ヒカキン)」と「はじめしゃちょー」が起用されたのだ。
出前館の旧CMは、スーダラ節に乗せた浜ちゃんの「で、で出前館、出前がすいすいすい~」の替え歌で話題に。CM放映と同時に同社の認知度は急上昇し、2020年7月時点で3万店舗だった加盟店は、今年10月に9万5000店舗を突破した。
コロナ禍のデリバリー需要増が後押しした背景もあるが、市場アナリストは「浜ちゃんCM」効果をこう分析する。
「浜田さんが同社のCMに初登場したのは2019年12月。“たまには出前でええやん”と、忙しい子育て世代向けにメッセージを送り、宅配需要を喚起しました。続くCMでは、スーダラ節を取り入れ中高年への浸透を図った。視聴者から『頭の中で出前館のCMソングがリフレインされる』という声が多いことからも、広告効果は絶大だったと言えるでしょう」
同社では、広告費の多くをテレビCMに充てる方針に転換したとされるが、それにはしたたかな狙いがあったようだ。前出・アナリストが続ける。
「ダウンタウンはこれまで多数のCMに出演していますが、バラエティ番組をはじめ、あらゆる場で自分たちの出演CMを“いじる”のがお約束になっている。浜田さんが『俺は(出前館を)頼まない』と公言したと思えば、相方の松本(人志)さんが『出前館は浜田がCM代わった(降りた)ので取らなくなりました』などと発言し、笑いを取りつつCM以外でもPRをしてきました。クライアントとしては広告費以上の宣伝が見込めるわけです」
このタイミングでそうした絶大な効果のある「広告塔」を挿げ替えたことについては、様々な見方がある。
「ひとつは“マンネリ”の危惧ではないでしょうか。CMは『消費者の記憶に残った』時点で一定の役割を果たしたことになります。人気YouTuberを抜擢したのは、新規の顧客を取り込むための次なる作戦ということになるでしょう。テレビ的知名度の高いタレントを起用した次は、インターネットを中心として情報に接する若年層に狙いを定め、食事にお金をかけたがらない若い年代を、ここで一気に囲い込みたいという狙いがあるのでは。