《世界的に拡散する可能性が高く、危険性は非常に高い》。11月28日、世界保健機関(WHO)は新型コロナの新たな変異株「オミクロン株」への警戒を各国に訴えた。南アフリカで見つかったオミクロン株は感染力が非常に強く、既存のワクチンが効かない可能性がある。
日本政府は水際対策を強化し、11月30日午前0時より全世界を対象に外国人の入国停止を実施。1日当たりの帰国者数の上限も5000人から3500人に引き下げた。
「新たな変異株が出てきたことは怖いですが、どこかでホッとしている自分に気づきました。緊急事態宣言が終わり、このままいけば、今年は久しぶりの忘年会ラッシュかと気が重かった。でもオミクロン株で再自粛の雰囲気が出たら、家でゆっくり過ごせるなと……」(30代女性会社員)
実際、感染者減に伴って各地で会食制限などが緩和されたが、夜の街に客足はまだ戻っていない。精神科医の和田秀樹さんはこう分析する。
「そもそも日本は周りの空気や会社のつきあいで外飲みする人が多かった。でもコロナ禍で『飲み会中止』となって家で過ごす快適さを知った人は、もう酒場に戻らないはずです。もともと外で飲むのが好きだった一部の人だけが、この先もお店に通うのでしょうね」
忍び寄るオミクロン株でさらなる窮地に陥りそうな日本の外飲み文化。新型コロナのため外で飲むことをやめた多くの人が指摘するのが「わが家の快適さ」だ。都内在住の40代女性会社員が語る。
「なんといっても家の中なら人の目を気にせず過ごせますからね。風呂上がりに、すっぴん、パジャマで飲むビールは最高だし、酔って眠くなったらその場に寝ころべばいいだけ。コロナ前はひとりで家で飲むと“寂しい女”とかっていわれたけど、いまはこのスタイルが当たり前でしょ。負い目も感じないし、ますます家飲みから抜け出せなくなりましたね。ただ、家での姿は絶対に人には見せられません(笑い)」
千葉在住の30代女性事務員は「自分のやりたいことをしながら飲めるのがいい」と語る。彼女はコロナ禍で韓流ドラマにどハマり。もともと料理が好きだったのもあり、会社が終わるとすぐ帰宅してサッと酒のつまみをつくり、韓流ドラマを見ながらの晩酌が最高な時間だという。
「涙腺が崩壊して涙と鼻水をダラダラ流しても平気なことも家飲みの利点ですね」(30代女性事務員)
居酒屋ライターの塩見なゆさんは「お酒は習慣化しやすいんです」と指摘する。